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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」★★★★

ダニエル・クレイグがボンドを演じる最後の作品とのことですが、ラスト・シーンがそれを象徴しています。

冒頭のシーンは、ノルウェーの雪深い場所の一軒家。幼いマドレーヌとその母親がいたところに、能面をかぶった男サフィンが襲いに来る。母親は殺害され、マドレーヌは凍った湖面を逃げたが、氷が割れて湖に落ちてしまう。能面の男はマドレーヌを助ける。

その数年後、大人になったマドレーヌは引退したボンドと一緒にイタリアのマテーラで過ごしていた。しかし、そんなボンドがかつて敵対したスペクターの一味に急襲される。ボンドは、マドレーヌの裏切りだと考え、マドレーヌに別れを告げる。

 

その後、ジャマイカに滞在するボンドの下に、CIAの旧友が訪れる。彼らはボンドに、誘拐されたロシアの細菌学者オブルチェフの救出を依頼する。ボンドは一旦は断ったが、引き受けることになる。

ボンドはキューバに赴き、スペクターの構成員が集まるパーティーに潜入する。それは、ロンドンの刑務所にぶち込まれているブロフェルドの誕生会であった。ブロフェルドは刑務所の中から義眼を使って一味たちに指示を出していた。そこでボンドは細菌によって殺害されるはずだったが、オブルチェフの裏切りでスペクターの構成員が殺害された。ボンドはオブルチェフを捉えたが、CIAが連れてきた人物がオブルチェフと同じある組織に所属することが判明し、オブルチェフは逃亡し、ボンドは間一髪で逃げた。また、英国MI6がオブルチェフに細菌開発を委ねていたことも判明する。

ロンドンに赴いたボンドは、マドレーヌが刑務所のブロフェルドと唯一話ができる人物であることを知る。ボンドはマドレーヌを連れてブロフェルドと面会する。そして、ボンドは、かつての事件はマドレーヌの裏切りではなかったことを知る。そして、マドレーヌにはボンドと同じ青い目の娘がいることを知る。マドレーヌの下にはかつて能面をかぶって母親を殺害したマフィンが近づいていた。そして、マフィンはマドレーヌと娘をさらっていく。

ボンドは、日ロの国境近くの島にあるマフィンとオブルチェフらのアジトに向かう。MI6でボンドの後を継いでいた007も一緒だった。ボンドはオブルチェフを殺害し、マドレーヌらを救出したが、最後のマフィンとの一騎打ちで重傷を負い、細菌に感染してしまう。それでもボンドはMI6にミサイルをぶち込むことを要請。ボンドだけは島に残り、やがてミサイルが飛んできて、アジトは爆破されたのだった。。。

 

 

 

最後、ボンドが死を覚悟して島に残るシーンは、とても感極まるシーンでした。

全体として、プロットがやや難解であったことは否めず、詳細に理解するためには2、3回は鑑賞する必要がありそうですが、それでも、ダニエル・クレイグの最後のボンド作品にふさわしい迫力のある作品でした。

最初のノルウェーの雪深いシーンや、イタリアのマテーラの美しい街並みは、本当にいい映像でした。

3時間という時間があっという間に過ぎる作品でした。