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濱嘉之「天空の魔手」

警視庁公安部片野坂彰シリーズの最新刊です。

中台関係の緊張が高まる中、片野坂のチームはドローンを用いた「対日有害活動の排除」を計画。片野坂は米国に飛び、連邦捜査局国家保安部(NSB)に売り込むと、それは早速ウクライナによる攻撃に使われる。香川らもサンクトペテルブルクに飛び、プーチンの資金源となっているワグネルやガスプロムをターゲットに諜報活動を行う。

 

作品中の登場人物が語る世界観がこのシリーズの魅力と言えるかもしれません。プーチン習近平政権に対する見方は鋭く、ハッとさせられる指摘が多々あります。

他方、今回の作品は、著者の思いを表現したうんちくが多く、物語としてはやや物足りない気は否めませんでした。含蓄の深い会話はとても魅力的なのですが、長くなりすぎると冗長的になってしまい、その辺のバランスが難しいところです。