映画、書評、ジャズなど

村上春樹

村上春樹「三つの短い話」

文學界2018年7月号 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/06/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 文學界の7月号に村上春樹氏が3つの短編が掲載されています。 最初の短編は『石のまくらに』。主人公が学生時代にレストランでバイトしていた…

レイモンド・チャンドラー「高い窓」

高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: レイモンドチャンドラー,Raymond Chandler,村上春樹 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2016/09/08 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 村上春樹訳を読みました。 チャンドラーらしいハードボイルド…

村上春樹「騎士団長殺し」

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/02/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (21件) を見る 騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/02/…

レイモンド・チャンドラー「リトル・シスター」

リトル・シスター (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: レイモンドチャンドラー,Raymond Chandler,村上春樹 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2012/08/07 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (14件) を見る レイモンド・チャンドラ…

村上春樹「職業としての小説家」

職業としての小説家 (新潮文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/09/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 今年もノーベル文学賞は惜しくも逃してしまった村上春樹氏ですが、小説家になるまでの過程や小説家として長く…

レイモンド・チャンドラー「大いなる眠り」

大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: レイモンドチャンドラー,Raymond Chandler,村上春樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/07/24メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見る 村上春樹訳を読んでみました。レイモンド・チャンドラーの代…

小澤征爾×村上春樹「小澤征爾さんと、音楽について話をする」

小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫)作者: 小澤征爾,村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/06/27メディア: 文庫この商品を含むブログ (13件) を見る 村上春樹氏が小澤征爾氏に対して行ったインタビューをまとめたものです。主としてク…

村上春樹「女のいない男たち」

女のいない男たち作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (104件) を見る 久しぶりにゆっくりと読書する時間ができ、村上春樹氏の短篇集を手に取りました。既出作品に書き下ろしの表題作を加えたも…

村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/04/12メディア: ハードカバー クリック: 3,074回この商品を含むブログ (343件) を見る 本作も期待を裏切らず、思わず引き込まれてしまうような圧倒的な力を持…

村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/15メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 67回この商品を含むブログ (365件) を見るダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講…

ジェフ・ダイヤー「バット・ビューティフル」

バット・ビューティフル作者: ジェフダイヤー,Geoff Dyer,村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/09メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (9件) を見る 「伝説的プレイヤーの姿を、想像力と自由な文体で即興演奏する、ジャズを描いた…

カタルーニャ国際賞スピーチ

先日のイスラエルでの演説に続き、今回も随分踏み込んだ内容のスピーチです。 http://mainichi.jp/enta/art/news/20110611k0000m040017000c.html http://mainichi.jp/enta/art/news/20110611k0000m040019000c.html 前回はだいぶ文学的オブラートに包まれた感…

スタン・ゲッツと村上春樹

村上春樹氏の作品は、ジャズの音楽が物語のバックに流れ、それが作品のイメージを基底していることがあります。『1Q84』では♪It's only a papermoon がそうでしたが、昔の作品について見ても『1973年のピンボール』では、スタン・ゲッツの♪Jumpin’ W…

村上春樹「海辺のカフカ」

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/02/28メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 1,037回この商品を含むブログ (966件) を見る海辺のカフカ (下) (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/0…

村上春樹「1Q84 BOOK3」

1Q84 BOOK 3作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/04/16メディア: ハードカバー購入: 70人 クリック: 2,125回この商品を含むブログ (659件) を見る 1Q84シリーズ3部作の完結編です。 第1巻と第2巻では天吾と青豆の場面が交互に進んでいく…

村上春樹「1Q84」

1Q84 BOOK 1作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/05/29メディア: 単行本購入: 45人 クリック: 1,408回この商品を含むブログ (1275件) を見る1Q84 BOOK 2作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/05/29メディア: 単行本購入: 40人 …

エルサレム賞受賞スピーチ

村上春樹氏のエルサレム賞受賞が決まった後、あるNGOが辞退を求めているという新聞記事が掲載されていたので、一体村上春樹氏がどう対応するのか多大な興味を持って見守っていました。 村上氏は、体制を壁に、個人を卵にたとえて、次のようにスピーチを行…

「神の子どもたちはみな踊る」

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/02/28メディア: 文庫購入: 22人 クリック: 427回この商品を含むブログ (357件) を見る この作品は、村上春樹氏の多くの作品と比べて明らかに異彩を放っています。こ…

「遠い太鼓」

遠い太鼓 (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1993/04/05メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 109回この商品を含むブログ (137件) を見る 村上春樹氏が一流のエッセイストであることは案外見逃されている点かもしれません。日常のさ…

村上春樹「東京奇譚集」

東京奇譚集 (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/11/28メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 84回この商品を含むブログ (311件) を見る この本は、村上春樹氏による現代の都市伝説といった内容です。ありふれた日常の中にふと忍び込…

「ティファニーで朝食を」

ティファニーで朝食を作者: トルーマン・カポーティ,村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/02/29メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 89回この商品を含むブログ (178件) を見る 村上春樹氏による翻訳が出たこともあり、随分以前に読んだけどもほと…

「風の歌を聴け」★★☆

風の歌を聴け [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント発売日: 2005/09/22メディア: DVD クリック: 37回この商品を含むブログ (39件) を見る 村上春樹の初の長編小説を1981年に映画化したものです。日本アート・シアター・ギルド(ATG)…

「誰がジャズを殺したか」

村上春樹氏のエッセイ集『やがて哀しき外国語』の中に「誰がジャズを殺したか」という少々刺激的なタイトルのエッセイが収録されているのですが、久々に読み直してみて、少しう〜んと考え込んでしまいました。やがて哀しき外国語 (講談社文庫)作者: 村上春樹…

ジム・フジーリ「ペット・サウンズ」

ペット・サウンズ (新潮クレスト・ブックス)作者: ジム・フシーリ,Test,村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/02/29メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 41回この商品を含むブログ (87件) を見る 本書はのタイトルは、御存知ビーチ・ボーイズ(ブラ…

村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」

走ることについて語るときに僕の語ること作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/12メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 459回この商品を含むブログ (492件) を見る 旺盛な仕事の傍らでマラソンやトライアスロンに勤しむ村上春樹氏が、走…

村上春樹とフィッツジェラルド

村上春樹氏が先頃、スコット・フィッツジェラルドの小説『グレート・ギャツビー』の翻訳を出版されています。グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹出版社/メーカー: 中央公…

「やがて哀しき外国語」

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/02/14メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 29回この商品を含むブログ (112件) を見る 村上春樹は、作家や翻訳家としてはもちろん、エッセイストとしても大変面白い視点か…

村上春樹とカフカ

村上春樹が昨年のカフカ賞授賞式に臨むに当たり記者会見を開いたのには、新鮮な衝撃を受けました。近年『海辺のカフカ』がベストセラーとなったばかりですが、村上氏にとってカフカという作家は大きな存在であるようです。海辺のカフカ (上) (新潮文庫)作者:…

「ダンス・ダンス・ダンス」と高度資本主義

最近、改めて村上春樹氏の「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」(以下「三部作」)と「ダンス・ダンス・ダンス」(以下「ダンス」)を一気に続けて読んでみました。どれももう10年ぶりくらいです。風の歌を聴け (講談社文庫)作者…

村上春樹について

村上春樹論についても、適宜書いていきたいと思っています。 昨年の11月、村上春樹に対してカフカ賞が贈られました。この賞は2001年に創設ということですから、まだ新しい賞ということになりますが、04年、05年の受賞者はいずれもノーベル文学賞を…