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東野圭吾「クスノキの番人」

会社を不当に解雇され、その腹いせに犯罪をしてしまった主人公玲人が、親族からクスノキの番人を指示される話です。クスノキには、多くの人たちが祈念にやってくるが、それがどういう意味を持つのかについては、人に話をしてはならないという暗黙のルールがある。玲人は番人をやりながら、次第にその意味を理解していく。

クスノキに祈念に通うある中小企業の社長。その娘優美は、親の不倫を疑っている。玲人と優美は一緒にその真相を探っていくと、社長の亡くなった兄が生前に作った曲をクスノキから伝え受け、再現しようとしていたことがわかる。。。

 

こういうファンタジー的な設定にもかかわらず、全く違和感のないミステリー小説に仕上がってしまうところに、作者の力量を感じます。読み進んでいく中でクスノキの謎が明らかになっていくのは、さすがです。

 

あっという間に読み終えてしまうような作品でした。