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「土を喰らう十二ヵ月」★★★★☆

tsuchiwokurau12.jp

作家の水上勉の「土を喰う日々 わが精進十二カ月」を基に製作された作品です。

ジュリーこと沢田研二が主演です。

作家のツトムは、長野の山奥で畑を耕しながら質素に料理をしながら暮らしている。それに注目した編集者真知子(松たか子)が訪ねてくる。ツトムは、幼少の頃に入れられた禅寺で学んだ精進料理の技術を使い、その時期に取れる作物や山菜を使いながら、季節に合った料理を作る。

 

皮ごと焼いた里芋、とれたてのタケノコ、葛で作ったゴマ豆腐、山椒味噌など、日本酒と合わせて頂きたくなるような魅力的なシーンの連続です。

 

沢田研二がとても味のある演技を見せています。そして、松たか子の演技がとても素晴らしく、この作品の魅力を引き上げています。

こういう作品を見ていると、山奥暮らしについつい憧れてしまいますが、実際にやってみると、こんな良い面ばかりでないのでしょう。それが分かっていても、質素な生活への憧れを喚起させる映画です。

 

余談ですが、この作品の音楽はジャズミュージシャンの演奏が使われています。トランペットの音色が、意外にもこの作品の雰囲気に合っています。

 

年末にしっぽり鑑賞するにはうってつけの作品でした。