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「カメラを止めるな」★★★★☆

 

カメラを止めるな!  [DVD]

カメラを止めるな! [DVD]

 

今更ではありますが、一時期大きな話題となった作品です。

冒頭、廃墟となった建物を舞台に、少人数の映画クルーたちがワンカットの作品を撮っているという設定。監督自らも熱くなりながら、本当のゾンビが出てきてしまい、関係者が次々とゾンビ化していき、殺されていき、最後は女子1人が生き残るという作品の映像が流れて、前半は終了。

映画は後半へ入ると、前半の作品が撮られる1か月前に時間は遡る。実は、この作品は、新しくできるゾンビチャンネルの目玉として、生中継されるものとして撮られていたのだ。この企画をある映画監督が引き受けた。現場での準備も整い、生中継の時間が近づいてきたのだが、俳優が2人交通事故に巻き込まれて来られなくなったり、ある俳優はアル中でへべれけに。そして、急遽、監督自らが監督役として出演することに。かつて問題のある女優だった監督の奥さんも急遽出演する。

生放送開始後も、様々なトラブルが続出。監督の奥さんも役に入り込み過ぎて手を付けられなくなる。それでも、監督はカメラを止めることなく、その都度、脚本を飛ばしたりしながらして臨機に対応しながら、作品は進んでいく。

生中継は何とか無事終了。現場のドタバタをよそに、ゾンビチャンネルの関係者は、何事もなく企画は成功したと喜んでいる。。。

 

 

この作品に関しては、一部、批判的な意見も見られるようですが、ユニークな作品設定が成功している作品だと思います。ワンカットの作品を撮っていて、そこに監督役がいて、さらに実際の監督がいるという三重構造みたいな設定は、アイデア勝ちですね。こういう複雑なシチュエーションは、映画だからこそできる表現だと思います。

 

前半と後半の組み立ても、あとで前半のシチュエーションの意味がじわじわと分かってくる構成になっており、観客を作品に効果的に引き込んでいると思います。

 

とても楽しめる作品でした。