- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: DVD
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住宅金融会社を営んでいるジョージ・ベイリー(ジェームズ・スチュアート)が、クリスマス・イブに自殺を試みようとしていることに天国の天使たちが気づき、ジョージを救うという天国の命を受けて、天使のクラレンスが地上界に降りてくる。
ジョージの父は小さな町で住宅金融を営み、貧しい人々が家を持てるように資金を貸し付けていた。しかし、この町の銀行を営むポッターは、金にどん欲で、圧倒的な資金力で町の金融を牛耳っていた。そして、貧しい人々のために尽力するジョージの父親にも返済の圧力をかけ、ジョージの父親は過労で亡くなってしまう。
ジョージは父親の住宅金融を継ぐつもりはなかったが、後継社長に推されたことから、夢をあきらめて会社を継いだ。
やがてジョージは、幼なじみのメリー(ドナ・リード)と結婚する。しかし、新婚旅行に出発しようとしていた矢先に、銀行の取り付け騒ぎが発生し、結局、新婚旅行を断念せざるを得なくなってしまう。
ジョージはその後順調に業績を上げていき、それをやっかいに思っているポッターはジョージを自分の会社に取り込もうとするが、ジョージはその誘いを断る。
しかし、あるとき、会計検査が来る直前に、8000ドルもの大金を紛失してしまう。その資金がなければ、ジョージも含めて会社の経営陣たちは、刑務所行きになってしまう。ジョージは絶望にかられ、家族にも当たり散らした上で、橋の上から川に飛び込もうとしていた。
そこに、天国から送られてきた天使のクラレンスが、先んじて川に飛び込んだため、ジョージはそのクラレンスを救うために川に飛び込み、ジョージの自殺の試みはくじかれてしまったのだった。
天使のクラレンスは、ジョージを救うことができれば、念願の天使の羽根を手に入れることができると言われていた。そこで、生まれてこなければよかったと絶望しているジョージを絶望から救うために、ジョージがこの世に生まれていなかった世界をジョージに見せる。
ジョージは子供の頃、薬局のバイトをしていたが、その店主が薬と勘違いして毒薬を客に届けようとしていたことに気づき、それを届けなかったことがあったが、ジョージが生まれていなかった世界では、その店主は毒薬を届けた罪を問われて長期間刑務所に服役し、ようやく出獄したばかりだった。
また、やはり子供の頃、ジョージは弟のハリーが遊んでいるときに誤って冷たい水溜まりに落ちたのを救ったことがあり、それが原因で風邪をこじらせて片方の耳が聞こえなくなっていた。その後弟のハリーは戦争で見方の補給船を救った功績で勲章を授与されていたのだが、ジョージが生まれていなかった世界では、ハリーは子供の頃にとっくに亡くなっていた。
そして、何よりも、町全体を金の亡者である銀行家のポッターが支配しており、人々の生活はすさんでいたのだった。
ジョージは、自分が生まれていた世界に大いに感謝することになる。現実の世界に戻ったジョージは、喜び勇んで友人達にクリスマスの挨拶をして回る。
当たり散らした家族にも愛情を注いでいると、ジョージの住宅金融会社に感謝している人々が寄付を届けてくれた。ジョージは多くの友人に囲まれている自分に幸せを感じる。
無事羽根をもらうことができた天使のクラレンスからは、次のようなメッセージが届く。
「友こそ宝物だ。翼をありがとう」
ジョージが営んでいるのが「住宅金融会社」であるという設定が、今日のサブプライム・ローン問題を何となく想起させます。当時も今も、マイホームを持つということが、人々にとって一つの大きな夢であるという事情は変わっていないようです。
以前御紹介した『天使がくれた時間』もそうですが、「仮に世界が・・・だったら」という設定の映画というのは大変魅力的です。人間誰しも多かれ少なかれ、現状に満足していない面があるわけですが、仮の世界を想像してみることで、現状の幸せに気づくということがしばしばあります。そういう仮の世界をもっともリアルに想像できるのが、映画の世界と言えるかもしれません。
何度見ても嬉しい気持ちにさせられる映画です。