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FREDDY COLE@COTTON CLUB

http://www.freddycole.com/
 昨日は、東京駅近くにあるCOTTON CLUBで、フレディ・コールのライブを鑑賞してきました。既に76歳という高齢ですが、余裕たっぷりのピアノ演奏と円熟味のある歌声は、さすが本場の“エンターテイナー”の貫禄たっぷりです。素人でも聞き覚えのあるスタンダード・ナンバーも数多く交えた選曲で、老若男女を問わず心底楽しめるショーとなっていました。現に、聴衆は20代から30代の若者が中心だったように見受けられます。ジャズの包容力の大きさを改めて感じました。

 フレディ・コールは、かの有名な故ナット・キング・コールの実弟であり、ナタリー・コールを姪に持つという音楽家系に育ちます。聴く人の心に訴える微妙なピアノのタッチなどは、やはりこうした血筋によるものなのかなぁと感じてしまいます。

 フレディの仕草は一つ一つが計算されつくしているかのようで、すべてが洗練されている感じです。バックを支えるベースとギターは、フレディ・コールとは二回りくらい年が離れた感じの若者でしたが、彼らが一生懸命にソロを演奏している最中もフレディはにこやかな表情で目を閉じており、フレディの大きな包容力がバンド全体を包みこんでいるかのような印象を受けました。

 オスカー・ピーターソンなど往年のジャズ・プレイヤーが次々と亡くなっていく中、こういう大御所が健在で、しかも日本でプレイしてくれていることは、誠に嬉しいことです。

 個人的には、「モナ・リザ」「スマイル」「枯葉」が最高に素晴らしかったです。