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サイラス・チェスナット@東京TUC

ピアニストのサイラス・チェスナットと日本のトップベーシストの中村健吾のDUOを鑑賞してきました。

http://tokyotuc.jp/2018/03/25/20180513/

 

サイラス・チェスナットは、数年前にアメリカの音楽番組で演奏しているのを見て以来、気になっていたピアニストでしたが、実際のライブを聞いてみると、想像以上に素晴らしいエンターテイナーでした。

巨体を駆使したピアノタッチで重厚な音を繰り出すかと思えば、軽快な指の運びでアップテンポなリズムを奏で、そして繊細なバラードでも魅せるという、変幻自在なピアニストです。

 

そして、何といっても素晴らしいのは選曲です。

軽快なテンポの♪I've Never Been in Love Beforeに始まり♪Tea for two, ♪Stomping at the SavoyそしてMonkの♪Bye-yaなどのスタンダードを軽快に演奏したかと思えば、♪My foolish heart, ♪In a sentimental moodさらにはErik Stieの曲を演奏するなど、メリハリがあってバラエティに富んだ楽しめるラインナップです。Duke jordanの♪No problemも素晴らしかったです。みんなが知ってる曲をとてもセンス良くアレンジしていました。

 

中村健吾さんとは20年来のお付き合いらしく、中村健吾さんの楽曲を久しぶりに演奏していたのも感動的でした。

 

サイラス・チェスナットは体が大きいせいもあって大御所の風格が漂っていますが、実はまだ55歳なんですね。若手の部類ではありませんが、まだまだ脂がのり切っている年齢です。

私の周りにはサイラス・チェスナットを信奉しているジャズファンは見かけたことはありませんが、日本でももっと評価されて良いピアニストだと思います。これだけのセンスと技術を持ち合わせた現役のジャズピアニストはそうはいません。

 

久々に“至福の時間”を味わえたライブでした。