- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2009/09/09
- メディア: DVD
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才能溢れるデイル・ターナー(デクスター・ゴードン)はNYからパリに拠点を移して活動を始めるが、酒に溺れた生活を送っていた。デザイナーのフランシスはそんなデイルの才能に惚れ込み、デイルをアル中から救おうと身銭を切ってサポートし、やがては娘のベランジェールとデイルの3人で同居を始める。やがてデイルはアル中から立ち直り、再び米国に去っていく。フランシスはデイルに付き添ってNYまで赴くが、デイルはNYの生活になじめない。フランシスはデイルを置いてパリに戻るが、やがてデイルの訃報に接することになる。
エンディングのキャスティングを見ると、出演するジャズ・ミュージシャンの蒼々たる顔ぶれが分かります。本作品の音楽を担当したハービー・ハンコックを始め、ウェイン・ショーター、フレディ・ハバート、シダー・ウォルトン、ロン・カーター、トニー・ウィリアムス等々、ビバップ以降のジャズ界を牽引した顔ぶれがずらりと出そろっている感じです。見終わって少々悔やまれたのは、最初にこのキャスティングを頭に入れておくべきだったということです。
本作品はバド・パウエルをモチーフにしたもののようですが、バド・パウエル、マイルス・デイヴィスなど、むしろパリでの活動の方が本国よりも喝采を受けたようです。ジャズはアメリカ最大の文化でありながら、その全盛期も含めて、どこか本国で冷たい扱いを受けていました。今日ともなれば、米国ではジャズはかなり冷遇されており、一流ミュージシャンたちは日本でのステージを熱望しているような状況です。今日までのジャズの歴史においてジャズを正当に評価してきたのは、ヨーロッパ人や日本人など異国の人々だったのです。
そういえば、先日パリを訪れた際も、小さなジャズクラブではありましたが、若手のピアニストのステージに多くの聴衆が詰めかけ、多いに喝采を送っていた光景が印象的でした。
演奏シーンが盛りだくさんに含まれており、ジャズ・ファンにはとにかくたまらない作品です。