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「泥棒成金」★★★★☆

 

泥棒成金 [Blu-ray]

泥棒成金 [Blu-ray]

 

 ヒッチコック監督の1955年の作品です。

かつて宝石泥棒「猫」として名をはせ、レジスタンスの英雄でもあったたジョン・ロビー(ケーリー・グラント)は、足を洗い、今では南仏リヴィエラの高台の屋敷に住んでいた。

ところが、ロビーの手口をまねた模倣犯が宝石泥棒を繰り返し、ロビーは警察に疑われることに。

ロビーは自分の潔白を証明するため、かつてのレジスタンスの仲間で今はレストランを経営するベルタニに紹介された保険会社の社員から、狙われそうな宝石所有者のリストを入手し、材木商バーンズになりすまして活動を開始する。

ロビーは、そんな宝石所有者のアメリカ人の母娘に近づく。娘のフランセス(グレイス・ケリー)は、バーンズがロビーであることを見抜き、2人は恋に落ちる。

しかし、ある日、フランセスの母親の宝石が盗まれ、フランセスはロビーを犯人として疑う。

そんな中、宝石所有者が集まる仮装パーティーが開催されることに。ロビーも仮装してフランシス母娘と一緒に潜入し、模倣犯の犯行現場を押さえようということに。

ロビーが屋根の上で張っていると案の定「猫」が現れる。

その正体は、かつてのレジスタンスの同士の娘だった。屋根から転落する寸前にその腕をつかんだロビーは、背後にいる人物を激白させた。それは、かつてのレジスタンスの同士のベルタニだった。。。

 

 

 ヒッチコック監督らしい独特の演出が随所に見られます。ホテルの部屋からケーリー・グラントグレイス・ケリーが2人で花火をバックに恋に落ちるシーンでは、2人のシーンと花火が飛び散るシーンが交互に組み合わされ、独特の雰囲気を醸し出しています。

 

とにかく、上空から撮影されたリヴィエラの街並みがとても美しいです。

グレイス・ケリーも大変美しく、仮装パーティーのシーンは、華やかなコスチュームが入り乱れる荘厳さです。

 

原題は“To Catch A Thief”ですが、邦題の「泥棒成金」はちょっといただけません。「成金」というのは、この作品の本質とは全く関係ないので、なぜこのような邦題が付いたのか、疑問です。

 

いずれにしても、画面から伝わる贅沢な雰囲気だけでも楽しめる作品です。