- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2011/01/28
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フランス女性のエリアーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、両親を飛行機事故で亡くした安南の皇女カミーユを養女として引き取り、広大なゴム園の経営を引き継いでいた。エリアーヌはフランス海軍の若い将校ジャン・バチストと出会い、恋に落ちる。ところが、カミーユも不慮の流れ弾で傷を負った際に手当してくれた恩人がジャン・バチストであり、彼に初めての恋心を抱く。ジャン・バチストはエリアーヌとの関係がこじれて、遠く離れたドラゴン島に左遷されてしまう。カミーユにはタンという許婚がおり、2人は結婚の儀を挙げるが、ジャン・バチストのことが忘れられずに、タンを置いて旅立つ。
ジャン・バチストはインドシナの奴隷の売買を管理する立場に置かれたが、その中にカミーユが混じっていた。ジャン・バチストはカミーユを連れ出そうとしたが、カミーユは道中に知り合った家族がフランス軍によって殺害されている光景を目の辺りにして、フランス人将校を射殺してしまう。
ジャン・バチストとカミーユは旅芸人の一座に混じって逃亡生活を送る。道中、2人の間には子供ができる。カミーユは現地人の間で伝説化して、ジャンヌダルクと称されるようになり、あちこちで植民地に対する反乱が起こったため、フランス軍は2人の行方を必死に追う。
やがて、2人はフランス軍によって捕らえられる。ジャン・バチストはフランス軍の軍法会議にかけられる寸前に自殺を装って殺害される。
カミーユは長年刑務所に入れられ、その間、子供はエリアーヌが預かって育てた。エリアーヌによる嘆願活動もあって、ようやくカミーユが恩赦の対象となったが、カミーユはもはや半植民地運動への意志を固めており、エリアーヌの下には戻らず、自分の息子エティエンヌとも顔を合わせることはなかった。
やがてエリアーヌはカミーユの息子を連れてフランスに戻る。ジュネーヴ会議にはインドシナ独立の立役者となったカミーユもヴェトナム代表として訪れていたが、エティエンヌは母親に声をかけることはなかった。。。
植民地におけるフランス人と現地人との間の複雑な関係をドラマチックに描いています。円熟味を増したカトリーヌ・ドヌーヴの好演もさることながら、フランスと現地のコミュニストの間で翻弄されるカミーユが、この国の置かれた不幸な状況の象徴としてうまく描かれています。フランス軍将校でありながら、幼さの残るカミーユから寄せられた一方的な恋によって大きく運命を変えられてしまうのも、とても切ない話です。
映画の前半ではインドシナが荒涼とした印象で描かれていますが、後半に行くにつれて、美しい光景が映像化されてくるようになります。特にジャン・バチストとカミーユが、数多くの島が点在するインドシナの入り組んだ湾を彷徨う風景は美しい映像に仕上がっています。
淡々と進んでいくところがいかにもフランス映画らしく、とても深みのある作品に仕上がっています。