- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2007/11/02
- メディア: DVD
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息子を強盗事件に巻き込まれて亡くして以来ぎくしゃくした関係が続き、やがて離婚したメーコン(ウィリアム・ハート)とサラ(キャスリーン・ターナー)。
「偶然の旅行者」と題する旅行ハウツー本を執筆したメーコンは、息子を亡くしたショックから立ち直れずにいるが、息子を一人育てている犬の調教師ミュリエルと出会う。メーコンは犬の調教をしてもらっているうちに、ミュリエルの息子に親しみを覚えていく。
ところが、別れたサラが家に戻ってくると、メーコンはサラとの関係をやり直そうという気に傾いてくる。しかし、メーコンがパリに出張に行くために乗った航空機に、ミュリエルが搭乗していた。メーコンはパリで腰痛を発症するが、そこにサラも駆けつけてくる。
メーコンはサラとやり直そうと決意するものの、再び仲違いし、結局ミュリエルを選ぶことになったのだった。。。
こういう作品は登場人物の心理に共感できなければ全くつまらない映画に終わってしまうのですが、案の定、私はメーコンの心理に共感できませんでした。なぜメーコンが家を飛び出していったサラが戻ってきたときに、サラとよりを戻そうという気になったのか、最後になぜミュリエルを選ぶ決断をしたのか、その辺の説得力が全くといっていいほどないのです。
息子の死を防げなかったことについて暗に自分を批判するサラに対するメーコンの反発というのは相当あったはずですが、なぜか戻ってこようとするサラをあっさりと受け入れてしまうのは、説得力がありません。
この辺の心理変化がこの作品の鍵であるにもかかわらず、そこがうまく描けていないのです。再びサラに気持ちが流れかけたものの、パリでサラと喧嘩してしまい、結局しつこく付きまとうミュリエルに負けてしまった、メーコンは最後まで優柔不断だった、といったメッセージしか伝わってこないのです。
『モンガに散る』という絶品のアジア映画を正月早々に見た後では、この作品の物足りなさがひときわ際立ってしまいます。