- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/10/21
- メディア: DVD
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第一話のサン・ドニ街は、娼婦と面と向かったものの、なかなか思い切れない男のじれったさを表現したストーリー。
第二話の北駅は、アパートを買った夫婦が朝っぱらから喧嘩し、家を飛び出した妻が見知らぬ男から言い寄られ、誘いを断られた男が突然橋から鉄道の線路に飛び降りるというストーリー。
第三話のサン・ジェルマン=デ=プレは、アメリカから留学してきた女学生がある男と一夜を明かすが、その男が実はヌードデッサンのモデルだったという話。
第四話のエトワール広場は、ある男がエトワール広場で口論となりもみ合いになった際、相手がふとしたはずみで気絶してしまったという話。
第五話のモンパルナスとルヴァロワは、ある女が2人の男に宛てた手紙を入れ間違えて投函してしまったと気づき、それぞれの男のところに行ってあれこれいいわけをするが、実は手紙は正しく投函されており、それぞれの男を逆に怒らせてしまったという話。
第六話のラ・ミュエットは、父親がメイドと不倫している少年が、両親の日々の口論が聞こえないように耳栓をしてしまうが、ある日母親が階段から転げ落ちて唸っているのが聞こえず、母親は亡くなってしまったという話。
ヌーヴェル・バーグの監督たちの作品ということで、どれもシュールな内容のものばかりです。そして、いずれの映画でも、パリの街が陰鬱に描かれているのが特徴的です。大規模な土木工事が行われているシーンなども多く、戦後の急速な工業化の荒波の中で古き良きイメージが破壊されていく様子が描かれています。
個人的には、パリといえば、晴れた日のカフェテラスのイメージが強いので、こうした作品の描き方は衝撃的だったのですが、それがヌーヴェル・バーグのヌーヴェル・バーグたる所以なのかもしれません。
個人的には、第二話のジャン・ルーシュ監督の作品と第五話のジャン=リュック・ゴダールの作品がよくできていたように思いました。