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「ノーカントリー」★★★★

 

ノーカントリー (字幕版)
 

コーエン兄弟の作品で、4部門アカデミー賞を受賞した作品です。原題は“No Country For Old Man”です。

さすがコーエン兄弟の作品だけあって、カメラワークが絶妙で、恐怖心をじわりじわりと掻き起すような作品となっています。

 

ベトナム帰還兵のモスは、テキサスの砂漠で猟を行っていたところ、複数の車両を発見。近づいてみると、血まみれの複数の死体と麻薬、そして現金が転がっていた。麻薬取引のトラブルがあったと思われた。1人だけ息がある者がおり、水を欲しがった、モスはその場にあった現金を持って帰宅する。その後、水を欲しがっていた者が気になり、夜分、現場に再度赴くが、そこで保安官に発見され、車を置いたまま現金を持って逃走を開始する。そして妻には実家に帰るように命じた。

モスが持って逃げている現金を追って、殺し屋のシガーが雇われた。ボンベを持ち歩き、その空気圧で鍵穴をぶち壊し、冷徹に殺人を繰り返す男だ。モスの持って逃げているスーツケースには探知機が入れ込まれており、シガーはモスに迫っていく。そして、シガーはモスが泊まるモーテルを突き止めるが、間一髪で逃亡を図った。

傷を負ったモスはメキシコの病院に入院するが、そこにも現金の行方を追う賞金家が訪れるが、シガーに殺害される。シガーはやがてモスを殺害し、モスの妻のところに行き、現金の行方を尋ねるが、殺害はしなかった。

その後、シガーは交通事故で重傷を負い、腕に骨折を追いながら、その場を去っていった。。。

 


No Country For Old Men - Trailer

最後の場面は、捜査に当たっていた保安官が、自分の夢を語るシーンで終わり、観る側の不意を衝く格好となりますが、これは原作どおりだそうです。

とにかく、殺人や死体の場面がこれでもかというほど登場する映画ですが、単なるバイオレンス映画ではなく、奥深い作品となっているのは、さすがコーエン兄弟です。

終わりの場面にもう少し工夫があれば、観終わった後にすっきりとした感覚が味わえたように思うのですが、それを抜きにしても、思わずのめり込んでしまう作品でした。