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「戦場のピアニスト」★★★★

戦場のピアニスト [DVD]

戦場のピアニスト [DVD]

 ユダヤポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記を元に、ロマン・ポランスキー監督が映画化した作品です。

 舞台は第二次世界大戦中のポーランドシュピルマンはラジオ局でピアノを弾いていたが、ナチスが信仰してきたため、仕事が続けられなくなる。ユダヤ人は腕章を付けることを義務づけられ、少しでもナチスの気に障れば容赦なく殺害されていく。やがて家族共々ユダヤ人居住区への移住を命じられる。ユダヤ人自身がナチスの指揮下でユダヤ人を虐げていた。シュピルマンは家族が強制収容所へ送られないように、家族に労働証明書を得させようと奔走したが、結局、知り合いの警察官によって釈放されたシュピルマン以外の家族は強制収容所へ送られてしまう。強制収容所には食料は搬送されておらず、家族の消息は絶望的だった。

 シュピルマンユダヤ人居住区で強制労働に従事するが、ユダヤ人居住区から抜け出し、知人の女性を頼って、女性とその夫によって匿われる。身を隠して移動を続けるシュピルマンは、ナチスの病院の前のアパートで身を隠していたが、次第に憔悴していく。ポーランド人による蜂起も試みられたが、失敗に終わる。

 廃墟となった建物を彷徨っていたシュピルマンは、ドイツ軍将校のヴィルム・ホーゼンフェルトに出くわす。ピアニストと名乗るシュピルマンに対して、ホーゼンフェルトはピアノを弾かせ、その演奏に感動して、シュピルマンに食料を提供して匿い続ける。

 やがて、ロシア人がポーランドに侵入してナチスを追い出し、ホーゼンフェルトもポーランドから退却するが、その際、シュピルマンに寒さを凌ぐためのドイツ軍のコートを渡す。ホーゼンフェルトは、退却の途中、ロシア軍に捕らえられ捕虜となる。ホーゼンフェルトは強制収容所から帰還するポーランド人に対して、自分がシュピルマンを助けたことを告げる。その話を聞いたシュピルマンは終戦後にホーゼンフェルトがいた捕虜施設を訪ねるが、既にそこは空き地となっていた。

 戦後シュピルマンはピアニストとして活躍した。。。


 原作のタイトルは“The Pianist”ですが、邦題の“戦場”というのが作品のシーンとあまりマッチせず、原題の方がふさわしいように思います。

 この作品の一番の主題は、シュピルマンがドイツ人将校に助けられたという部分だと思いますが、それが出てくるのは作品の最後の方であることから、そこに至るまでのストーリー展開がやや冗長的である感じもします。

 それにしても、作品ではユダヤ人に対する野蛮な仕打ちが露骨な映像で表現されており、思わず目を背けたくなる場面がいくつもありました。そうした現実を巧みに映像化されている点では、ポランスキー監督の手腕は高く評価できます。

 作品中には多くのショパンの演奏が流れますが、とりあえず、その中から、以下に貼り付けたのは、♪バラード第1番ト短調作品23の演奏のYOUTUBEの動画です。