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映画、書評、ジャズなど

東京は美食の都!

 11月19日に「ミシュラン東京2008」の発刊記者会見が行われました。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20071119i214.htm
 三つ星に8つの店が選ばれましたが、何と言っても嬉しいことは、星の総数191は世界最多であるという事実です。ミシュランガイド総責任者のジャン・リュック・ナレさんは

「東京は世界に輝く美食の都」

と持ち上げたそうですが、日本が美食の国であることをフランスの会社が全世界に向かってアピールしてくれたことは、手放しで喜びたい気持ちになります。

 今回星が付けられたレストランの60%が日本食だそうですが、私が今回このミシュランの評価を純粋に嬉しく感じたのは、決してサイードのいう「オリエンタリズム」的な視線で日本食が評価されたのではない、という感じを受けたからです。つまり、西欧から見てアジアの食が珍しいからとかいう理由で日本食が選ばれたわけではなく、むしろフランス料理などとも同じ目線で日本食が高く評価されたという点が大変有意義だと思われます。

 この件が海外でどのように報道されているかですが、簡単に見てみると、

AFP通信「ミシュランが東京に記録的な星を与える」
(ジャン・リュック・ナレさんの言葉として)「東京ミシュランガイドがこれらのレストランに星を与えたのは、創作物と料理技術の比類なき質の高さ、代々受け継がれて、そして料理人の才能によって今も発展し続けている遺産と伝統による。」
"It is thanks to the incomparable quality of the products and cooking techniques used, and to the heritage and culinary traditions handed down from generation to generation and which continue to develop thanks to the talent of its chefs, that the Tokyo Michelin Guide has given stars to all restaurants."

http://afp.google.com/article/ALeqM5iF5CTdTCJwSn1PllYCTqGqGQfw9g

 確かに、すし職人を始め日本食の料理人は一人前になるために相当な下積みを経なければならないで、それは日本的な文化でもあるわけです。日本食というのはそういう日本文化から生まれてくるものであり、そして日本文化そのものとして誇りを持ってもよいものだと思います。

TIMES ONLINE「日本食は、日本の技術と同様に洗練され、数独と同様に楽しい」
「…日本人は最速の列車や最も未来をいくテレビを作る一方で、最高位の勤勉さを楽しみの技術に応用してきた。この国は我々にポケモン、カラオケ、小津の入り組んだ映画をもたらした。だから、日本食という小さな不思議な物が世界一であっても驚くべきことではない。」
For, while the Japanese have built the fastest trains and most futuristic televisions, they have also long applied their stratospheric diligence to the art of fun. This country brought us Pokémon, karaoke and the intricate films of Ozu. Small wonder, then, that the small wonders of Japanese cuisine are the best in the world.

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 なかなか日本に対する理解を示してくれた含蓄のある文です。

 これをきっかけに、東京を「美食の都」として売り出していくべきでしょう!!

 これから先、日本はもっと「美食の国」をアピールすることで日本に対する魅力を高め、観光客が大勢集まる国を目指していくべきではないかと思います。日本のソフト・パワーを高めていこうという考え方が近年ようやく定着してきたところでありますが、今回のミシュランの発表は、日本が「美食の国」であることを日本人に気付かせてくれたという点が大きいと思います。

 ただ、戦後日本社会というのは、往々にして海外から自分たちの魅力を教えられる繰り返しであり、今回もまた同様にミシュランから自分たちの魅力を教えられるという結果になってしまったわけで、この点は我々日本人も少し反省しなくてはならないのかもしれません。

 今回選ばれた店は、どれも高級料理店ばかりですが、実は安価で質の高い料理店が数多く存在するということを海外の人たちにもっとPRしていく必要があるでしょう。そのためには、そうした安価なお店をフィーチャーした「日本版ミシュラン」のようなものを作ったらよいのではないかと思います。

 こういうのは政府がやったらうまくいかないでしょうから、お金のある民間企業が社会貢献事業の一環として、大勢の調査員を雇って様々なレストランを中立的に調査し、格付けを行っていたら面白いのではないかと思います。フランスのタイヤ会社がやっているくらいですから、日本企業にも到底できると思いますし、やはり、日本人自身が日本の食を評価するということが重要なのではないかと思います。

 とはいえ、日本の新たな魅力を教えてくれたミシュランにはやはり感謝です。