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「ジョジョ・ラビット」★★★★


第二次大戦のドイツを舞台にした不思議なファンタジー作品です。

 

少年ジョジョは、ヒトラーの親衛隊に入隊するが、ウサギを殺すことができず逃げ出してしまい、「ジョジョ・ラビット」というあだ名を付けられる。ジョジョのそばには、いつも空想のヒトラーがいて、ジョジョの精神的な支柱となっている。

 

ジョジョの母親は、密かにユダヤ人の支援をしていた。ある日、ジョジョは、家の部屋の隠し扉の奥に、ユダヤ人の少女エルサがかくまわれているを見つける。ジョジョはエルサからユダヤ人について教えを請う。やがて、ジョジョは年上のエルサに恋心を抱くようになる。

 

ジョジョは、広場で処刑された母親を見つける。戦火は激しくなっていく。ジョジョは、銃弾の中を逃げまどい、かつての上官に窮地を救ってもらい、何とか命拾いする。

 

やがて、戦争はドイツの敗戦で終結する。ジョジョはエルサに、ドイツが勝ったと嘘をつく。エルサは晴れて家の外に出て、そしてドイツの敗戦を知る。ジョジョは、エルサに告白し、2人は見つめ合って踊りだす。。。

 


タイカ・ワイティティ監督がヒトラーに!映画『ジョジョ・ラビット』日本版予告編

 

戦争を題材として扱いながらも、全体を通じたほんわか感があり、しかも、随所にシリアスな内容が盛り込まれているという、何とも不思議な空気感を醸し出しています。

こうした現実とかけ離れた世界観を作り出せるのは、映画の持つ最大の魅力の一つだと思います。

 

戦時中は、ごく普通の少年少女が当たり前のように国家によって啓蒙され、戦争に巻き込まれていってしまうことが、うまく描かれていました。

 

主人公の少年の健気な嫌疑がとても好感が持てます。

 

笑いと涙の両面で楽しめる作品でした。