アンソニー・クイン主演の1962年のイタリア映画です。
原作は、ノーベル文学賞を受賞したペール・ラーゲルクヴィストの小説です。
- 作者: ラーゲルクヴィスト,P¨ar Lagerkvist,尾崎義
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1975/12/16
- メディア: 文庫
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時代は、キリストが正に処刑されようとしているエルサレム。キリストの処刑に合わせて恩赦を受けて釈放されたのが、盗賊のバラバだった。
釈放されたバラバは、早速かつての恋人の下を訪れたが、彼女はキリストに傾倒しており、キリストが2日後に生き返ることを確信していた。バラバは神を全く信じておらず、実際にキリストの遺体が墓場から消えていても、キリストの復活を信じなかった。
バラバは再び犯罪を犯して囚われの身となる。そして、シチリア島の硫黄鉱山で強制労働させられるのだが、鉱山の事故で仲間でキリストに傾倒するサハクと共に奇跡的に生還する。2人はその不死身さを州総督に認められ、バラバはローマの剣闘士となる。
バラバは剣闘士として次第に頭角を現す。しかし、サハクはキリストへの憧憬が捨てられず、処刑される。
その後、バラバは民衆の人気を獲得し、自由の身となることを許される。そして、真っ先に仲間のサハクの遺体を墓場から掘りこし、使徒ペテロの下へ連れていく。
その後、街で大規模な火災が発生する。それはキリスト教徒によるものだと聞き、バラバはそれがキリストの教えに従う行為だと信じ、一緒になって放火を行い、他のキリスト教徒と共に捕らわれる。
バラバは磔の刑になる。。。
莫大なコストをかけてセットを用意したであろう壮大な歴史スペクタクルです。神の存在を全く信じていなかったバラバが、様々な経験を通じて次第に神を信じるようになっていく過程は、よく描かれているように思います。
時の皇帝権力が、キリスト教という新たな聖の権威の出現をいかに警戒していたががよくわかります。
やや強すぎるキリスト教色を考慮しても、純粋に楽しめる作品です。