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映画、書評、ジャズなど

「追想」★★★★☆

追想 [DVD]

追想 [DVD]

 イングリッド・バーグマンロマノフ朝の本物の末裔を演じる記憶喪失の女性を演じている作品です。

 ロシア人の元将軍ボーニンらは、ロマノフ朝の皇女アナスタシアに似ている記憶喪失の女性アンナ(イングリッド・バーグマン)を本物と祭り上げて、その莫大な遺産を山分けしようと計画、入水自殺を図ろうとしていたアンナを助けて、連れ回すことに。ボーニンらはアンナに、アナスタシアを演じるよう要求し、あれこれと訓練を積ませる。

 ボーニンらは、かつてのロマノフ朝に近かった人たちとアンナを会わせて、アンナが本物のアナスタシアであると証明させようとしたが、失敗。そこで、コペンハーゲンにいるロマノフ朝の皇太后にアンナを会わせることになる。

 皇太后はアンナが本物のアナスタシアであることを疑い、面会を拒み続ける。しかし、やっとアンナと面会した皇太后は、アンナが本物のアナスタシアであることを確信する。

 アンナは、アナスタシアの初恋の男性で皇太后の甥であるポール王子と結婚することになる。かつてのロマノフ朝の栄光を取り戻す絶好の機会でもあり、2人の結婚には多くの招待客が集まった。

 ところが、お披露目の直前となって、アンナとボーニンが消えてしまった。2人が惹かれ合っていることを悟っていた皇太后は、2人がいなくなることをお見通しだった。

 招待客に何と言うつもりかと問われた皇太后は、次のように返す。

「芝居は終わり。家に帰りなさい。」

 最後、皇太后が堂々とした風格で招待客らの前に進んでいくシーンで終わるのですが、最高のエンディング・シーンの1つだと思います。

 イングリッド・バーグマンの好演はもちろん素晴らしく、莫大な財産を捨てて最後は愛に逃避するボーニンとアンナに、どこかホッとさせられます。

 しかしながら、作品の中でもっとも惹かれるのは、皇太后の堂々としたキャラクターでしょう。周囲の人たちが過去の栄光に囚われ続けている中、一人、過去の栄光から訣別し、2人の逃亡を毅然として達観している姿は、とてもかっこいい女性像を形成しています。