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映画、書評、ジャズなど

「マルコヴィッチの穴」★★★★

マルコヴィッチの穴 [DVD]

マルコヴィッチの穴 [DVD]

 もうだいぶ古い作品となりましたが、奇抜な脚本が話題となった作品です。原題は“Being John Malkovich”です。

 売れない人形使いのクレイグは、妻のロッテから就職を促されており、レスター社に就職することになる。その会社はビルの71/2階にある天井の低い不思議な空間だった。クレイグはそこで奇妙なトンネルを発見する。トンネルをくぐると名俳優のマルコヴィッチの脳内に入り込むことができ、彼の肉体を自由に操れるようになるのだ。

 クレイグは同じビルに勤務するOLのマキシンに恋心を抱くが、それ以上に、妻のロッテがマキシンに恋をする。ロッテはマルコヴィッチの脳内に入り込んだ状態でマキシンと肉体関係を持つ。クレイグはそんな妻ロッテに嫉妬心を抱き、自分もマルコヴィッチに入り込んでマキシンと性行為を楽しむ。

 クレイグはマルコヴィッチの脳内に長期間滞在する術を身につけ、彼の肉体と名声を借りて人形使いとして大成功を収める。マキシンは彼の敏腕マネージャーとして活躍する。

 そんな状況の中、ロッテはレスター社の社長に相談する。実はレスター社の社長は、トンネルのことをよく知っていた。クレイグをマルコヴィッチから追い出すため、社長らはマキシムを誘拐して脅しをかける。結局、クレイグはマルコヴィッチから抜け出し、レスター社の社長らがマルコヴィッチの中に大勢入り込んでいく。ロッテはマキシンを殺害しようと追いかけるが、マキシンのお腹にいる子供がロッテがマルコヴィッチに入り込んでいるときにできた子供であることをマキシンが打ち明け、2人は一緒になって子供を育てていくことになる。。。

 何とも奇妙でナンセンスなシナリオですが、それはそれで奇妙な一貫性があり、楽しめる内容です。

 脚本のチャーリー・カウフマンは、当初、単純に、妻以外の女性と失恋する男を描いたストーリーで考えていたようですが、映画会社に採用してなかなかもらえず、奇抜なストーリーに変わっていったようです。

 タイトルにもなっており、自らの出演しているジョン・マルコヴィッチ自身も、最初の質問は、

「なぜジョン・マルコヴィッチなんだ?なぜトム・クルーズじゃないんだ?」

だったそうです。
Spike Jonze on letting Her rip and Being John Malkovich | Chris Michael | Film | The Guardian

 こういうナンセンスなストーリーも視覚化できてしまうところに映画の良さの一つがあるように思います。