- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2011/06/24
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
デイヴィッド・ヘルフゴットはオーストラリアに住む貧しいユダヤ人家庭に生まれ、厳格な父親によってピアノの英才教育を受け、小さい頃から天才ピアニストとして各種コンクールでも上位に入る技術の持ち主だった。息子が自分の手元から離れていくのを異常におそれ、ピアノの先生が留学を進めても、父親は悉くそうした話を断った。デイヴィッドにとっての唯一の心のよりどころは、著名な熟年女性作家キャサリン・プリチャードだけだった。デイヴィッドは英国王立音楽院の奨学金付きの留学に行きたかったが、それも父親から同意を得ることができなかったものの、デイヴィッドは勘当を覚悟で家を飛び出した。
音楽学校でデイヴィッドはラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演目に選んでコンクールに臨んだが、素晴らしい演奏を遂げた直後、デイヴィッドは幼少の頃からのプレッシャーに押しつぶされ、ついに精神に病をきたしてしまった。
デイヴィッドは精神病院で暮らすことになるが、デイヴィッドのファンだったという熟年女性に引き取られる。夜はバーに通い、華麗なピアノ演奏を披露して客の喝さいを得る。その後、バーのスタッフの女性に紹介された女性と結婚する。コンサートにも復帰して聴衆の前で演奏するようになる。
やがて父親が亡くなるが、デイヴィッドは何の感慨もなかった。。。
デイヴィッド・ヘルフゴットはいまだに存命で、かつて日本にも来ているようです。父親の厳格さの異常性が際立って表現されていますが、デイヴィッドの父親は小さい頃ポーランドの実家を飛び出しており、ユダヤ人の大量虐殺でも多くの親族を失ったことも、こうした息子に異常に執着するような人格の形成につながっているようです。
NHKのHPに掲載されているデイヴィッド夫妻のインタビュー記事が参考になります。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/arch/mon/31020.html
それにしても、デイヴィッド・ヘルフゴットの演奏は確かに驚愕すべきものがあります。この♪Bumlebeeは圧巻です。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番も聴かせます。
存命中の人物を暗部も含めて描いた作品であり、ヘルフゴット夫妻の協力や了解がよく得られたなぁと思わず感心してしまいます。