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映画、書評、ジャズなど

「引き裂かれたカーテン」★★★★

 ヒッチコックの1966年の作品です。ポール・ニューマンジュリー・アンドリュースの共演で、まるで洗練された007のような感じの作品です。

 アメリカの物理学者アームストロング(ポール・ニューマン)は、フィアンセで秘書のセーラ(ジュリー・アンドリュース)とともに、国際会議に出席するためにコペンハーゲンを訪れていたが、アームストロングの下に書店から連絡が来ると、アームストロングはセーラを残してストックホルムに行くと言い出した。怪しげに思ったセーラは、実はアームストロングはストックホルムではなく東ベルリンに行く予定であることを突き止め、こっそりと同じ便に乗り込む。

 東ベルリンに着くと、セーラはアームストロングが亡命目的であったことを知る。東ドイツの核ミサイル研究の第一人者であるリント教授と共同研究をするためだった。実はアームストロングはリント教授から核ミサイル研究の決定的な数式を聞き出すために亡命を装って東ドイツに侵入したのだった。

 アームストロングは東ベルリンにいる同士のいる農場を密かに訪ねたが、そこに東ドイツの組織の一員であるグロメックが尾行していた。グロメックからスパイと名指しされたアームストロングはグロメックを殺害する。

 やがて、グロメックの死体が発見され、アームストロングが農場に行ったことも明らかになると、東ドイツ政府はアームストロングがスパイであることを悟り始める。時間の余裕がない中で、アームストロングはリント教授から核ミサイル研究の数式を聞き出すことに成功する。

 アームストロングはセーラと共に東ドイツから脱出を試みる。定期便に似せたバスが用意され、秘密警察の目をかいくぐりながら2人は何とか東ベルリンからの脱出に成功する。そして、バレエ団に紛れてストックホルムに向かう船の荷物の中に潜んでいた。陸揚げ寸前で危うくばれそうになったが、とっさに海に飛び込み、上陸に成功したのだった。。。


 『ハスラー』のポール・ニューマンと『サウンド・オブ・ミュージック』のジュリー・アンドリュースの共演ですから、相当豪華なキャスティングです。

 劇場でバレエ鑑賞をしている2人が秘密警察に囲まれるという絶体絶命の状況の中、アームストロングがとっさに「火事だ!」と叫び、劇場に大混乱をもたらして見事逃亡するシーンは、さすがヒッチコックと思わせるものでした。

 また、アームストロングが東ドイツに到着する際に、カメラマンたちの注目をアームストロングに奪われたバレリーナが、ストックホルムに船が着いた際にまたしてもこけにされるという演出はなかなかのものです。

 東ベルリンからの脱出の過程が少し冗長かなという気もしましたが、ヒッチコックのカメラワークも含めた冴えた演出が光る作品でした。