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映画、書評、ジャズなど

「フィラデルフィア物語」★★★★

フィラデルフィア物語 [DVD] FRT-073

フィラデルフィア物語 [DVD] FRT-073

 フィラデルフィアの上流階級の滑稽さを描いた何ともバカバカしいストーリー展開のコメディなのですが、キャサリーン・ヘップバーンの好演が光る作品です。

 富豪の娘トレイシー(キャサリーン・ヘップバーン)は、同じく上流階級の前夫のデクスター(ケーリー・グラント)と離婚した後、下流階級のキットリッジと結婚することになった。そんなとき、前夫デクスターは、トレイシーの兄の友人として、記者のコナー(ジェームズ・スチュワート)とその恋人インブリーと共に、トレイシーの結婚式の様子を取材することになった。デクスターはトレイシーの再婚を妨害しようとたくらんでいたのだった。もちろんトレイシーは当初そんな取材を認めるつもりもなかったが、彼らがトレイシーの父親の不倫の記事の掲載をちらつかせたため、やむなく結婚式への参加を認めることになった。

 そこからがハチャメチャな展開となり、結婚式の前の晩のパーティーで泥酔したトレイシーは、朝方コナーに抱きかかえられご機嫌でいちゃつきながら戻ってくる。そこに居合わせたデクスターとキッドリッジは唖然とする。結局、トレイシーとキッドリッジは土壇場で結婚しないこととなったが、式の方は既に準備が整えられ、入場の演奏が始まっていた。

 そこでコナーがトレイシーに求婚するが、トレイシーはこれを拒否。結局、デクスターが急遽トレイシーと再婚することが決まり、2人は式に臨んだのだった・・・。

 途中何となくだらける時間帯もあるものの、最後の二転三転する急展開の場面で、映画は俄然面白さを増してきます。

 何と言ってもこの映画を引き立てているのは、キャサリーン・ヘップバーンの演技でしょう。『旅情』などとはまた違ったコミカルな演技はこれまた秀逸で、結婚式の当日の朝、二日酔いで太陽の光を見たときの「まぶしいっ!!」といった感じの表情には思わず吹き出してしまいました。

 キャサリーン・ヘップバーンは、共演者の演技を引き立てる女優として有名で、共演者がアカデミー賞を受賞することがこれまで数多くあったということですが、この映画でもコナー役を演じたジェームズ・スチュワートアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。決して美人ではありませんが、底知れぬ魅力を持つ女優です。

 ちなみにこの作品は後に『上流階級』というタイトルでリメイクされているそうです(こちらはまだ観ていませんが)。