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映画、書評、ジャズなど

東京JAZZ 2008@東京フォーラム

http://www.tokyo-jazz.com/index.html
 今日は東京フォーラムで開催されている「東京JAZZ 2008」の午後の部を鑑賞してきました。

 多彩なアーティストが一堂に会する日本のジャズの最大の祭典の一つで、今年ようやく念願叶って足を運ぶことができました。

 トップ・バッターはデビューしたての男性4人組「jammin' Zeb」です。各メンバーの個性というよりも、4人のバランスの良さや自然なまとまりが印象的で、心地よい歌声を聴かせてくれました。

 次に登場したのは、上原ひろみ熊谷和徳です。
http://www.tokyo-jazz.com/jp/artists/index.html#a0830d_03http://www.tokyo-jazz.com/jp/artists/index.html#a0830d_03
日本のNo.1ジャズ・ピアニストとタップ・ダンサーとのコラボということで、どんなステージになるのか見当もつきませんでした。
 演奏された曲目は名曲「Rhapsody In Blue」。私が最近愛聴しているガーシュウィンの曲ということで、俄然心中盛り上がります。そして上原ひろみの演奏のダイナミックさにはもう感動してしまいました。実は上原ひろみはまだCDでもきちんと聴いたことがなかったのですが、今回のこの「Rhapsody In Blue」の演奏を聴いて、その実力と力強さに一発で圧倒されてしまいました。日本最高のジャズ・ピアニストであることは間違いありません。
 熊谷和徳のタップとの意気もぴったり合っており、素晴らしかったのですが、ただ、少し両者のコラボが長すぎたかなという気もしました。上原ひろみだけの「Rhapsody In Blue」の演奏も聴いてみたかったなという思いが少ししました。

 それから、今日のメインであるハンク・ジョーンズの登場です。
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 その御年はなんと90歳!!日本のミュージシャンがこの年でメインを張るなんて想像できません。とても90歳には見えないほど毅然とした姿勢と表情で登場し、軽やかにピアノを演奏する姿に、思わず勇気づけられてしまいました。
 ハンク・ジョーンズの演奏はといえば、タッチの力強さこそ衰えを感じるものの、そのリズム感やセンスは若手のミュージシャンたちに全く引けをとらない素晴らしいものでした。トリオでは、ベースのジョージ・ムラーツの演奏は安定感があって真摯なものであり、素晴らしいものでした。

 その次は、お待ちかねのN響との共演です。エリック・スターン率いるN響ハンク・ジョーンズロン・カーターが共演する夢のようなステージです。「My Favouraite Things」、「Over The Rainbow」と続いた後、ガーシュウィンのメドレーで、「An American In Paris」「S'wonderful」「Rhapsody In Blue」「I Got Rhythm」と続きます。
 正直、ハンク・ジョーンズN響のコラボはややきつかったかなという印象です。もちろん、ハンク・ジョーンズの演奏もロン・カーターの演奏も共に世界最高レベルの演奏と言うにふさわしい素晴らしいものではあったのですが、90歳のハンク・ジョーンズのピアノにオーケストラの大音量に負けない力強さを期待するのはやはり酷というものでしょう。できることなら、ハンク・ジョーンズロン・カーターの演奏はトリオとしてしんみりと聴きたかったものです。N響ガーシュウィンの演奏も極めて素晴らしかったのですが、これもN響だけの演奏として聴きたかったという気がします。
 しかし、天下のN響がジャズ界の大御所たちに敬意を払いながら共演している姿は、ジャズ・ファンとしてはやはり嬉しかったです。



 ・・・という感じでしたが、本日の収穫といえば、やはり上原ひろみでしょう。その人気は誰しも認めるところですが、実力も本当に素晴らしいアーティストであることを実感しました。一流のジャズ・ミュージシャンに共通している点は、やはり余裕を持って楽しんで演奏しているという点です。上原ひろみもその例に漏れず、笑顔を絶やさず、時折深刻な表情交えながら、総体として見れば楽しんで演奏しており、見ている方も心底楽しい気持ちにさせられました。

 ちなみに、私のすぐ後ろの列では、ジャズ評論家として数々の著作を出しておられる小川隆夫さんが鑑賞しておられました。小川さんの著作は常日頃楽しんで拝見させていただいているので、少し嬉しい気持ちになりました。きっとこのステージについてもブログで報告されることでしょう。
http://blog.excite.co.jp/ogawatakao/

 こういうイベントが日本で盛り上がり、世界各国から一流ミュージシャンが集結することは、ジャズ・ファンとしては至福の喜びです。これからも毎年盛況が続くことを期待したいと思います。