映画、書評、ジャズなど

「ポリス・ストーリー2」★★★★

 

ポリス・ストーリー2 九龍の眼 デジタル・リマスター版 [DVD]

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ジャッキー・チェン主演のシリーズの第2弾です。前作に引き続き、ジャッキー・チェンのアクションが冴え渡った作品です。

 

前作で麻薬王チュウの逮捕に貢献したチェンであったが、派手にやりすぎた罰として交通警察の現場に配転となる。

チェンにはメイという恋人がいたが、チュウの部下たちはメイに執拗に嫌がらせを続け、怒ったチェンはチュウの部下たちと派手な喧嘩をしてしまう。署長から再三にわたって注意を受けたチェンは、警察を辞めてメイとバリ島に旅行に行くことにした。

しかし、その頃、爆弾による脅しでお金を要求する事件が起こる。バリ島に向かう飛行機に乗り込んだ直後のチェンは署長らから急遽呼び出され、捜査への協力を依頼された。

 

チェンは爆弾の製造者を突き止め、アジトに潜入する。メイは誘拐されて工場に連れ込まれていた。爆弾を巻きつけられたチェンは、犯人たちの言う通りに現金を取ってくるが、その後犯人を裏切って振り切る。メイも巻き込んでの爆弾工場での壮絶な攻防の末、工場は炎に包まれた。チェンとメイは間一髪脱出を果たす。。。

 

 前作についてはこちらを参照下さい。

 

 

本作でもチェンは随所で信じられないアクションを見せています。爆弾工場でのアクションは火薬を用いたもので、相当リスクが高かったと思われます。

最後は二人が工場から脱出したところで終わってしまうのですが、もう少し後日談が続いても良かったように思いました。

 いずれにしても、アクションのみならずストーリーも含めてよく出来た作品でした。

 

「シンシナティキッド」★★★★

 

シンシナティ・キッド [DVD]

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スティーブ・マックィーン主演の1965年のギャンブル映画です。

キッド(スティーブ・マックィーン)は、ニューオリンズでポーカーで敵なしの賭博師だった。そこに、ランシーという有名な賭博師がやってくる。

キッドはランシーとの一戦に挑む。多くの住民たちが固唾を飲んで見守る中、参加者たちは次々と脱落していき、やがてキッドとランシーの一騎打ちとなる。時々休憩を挟みながら対戦は続く。

場を仕切るシューターは、キッドに有利なイカサマを持ちかけるが、キッドはこれを拒否。

結局、最後、ランシーがロイヤルストレートフラッシュでキッドを破る。。。

 

 

最初から最後までポーカーの試合三昧なのですが、それでも観るものを離さない魅力がこの作品にはあります。

キッドにはクリスチャンという健気な恋人がいましたが、一時、シューターの美人妻がキッドに擦り寄り、キッドも心が緩んでしまいます。しかし、キッドが勝負に敗れて一文無しになった時に駆け寄ってきたのはクリスチャンでした。

スティーブ・マックィーンの渋さももちろんかっこいいのですが、このクリスチャンの健気さもこの作品の魅力の一つでしょう。

シンプルだけど心に残るいい作品でした。

 

「くちづけはタンゴの後で」★★★☆

 

 1996年公開の作品です。この時代を象徴するかのような甘いメロドラマで、今の時代の目線で見ると、やや馴染めない面があることも否めません。

 

田舎からNYにやって来た18歳のコニーは、最初に出会ったスティーヴという男の虜になってしまい、同居を開始する。しかし、コニーが妊娠したことを知ったスティーヴは、コニーを家から追い出して、別の女と同居を始める。

大きなお腹を抱えて途方に暮れたコニーは、街をさまよった挙句、間違ってボストン行きの列車に乗り込んでしまう。もちろんチケットは持っていないのだが、そんなコニーを助けてくれたのが、ヒューという男だった。ヒューは新婚の妻で妊娠しているパトリシアを実家に連れていく途中だった。

しかし、そこに悲劇が起こる。3人が乗った列車が大事故を起こしてしまったのだ。ヒューとパトリシアは命を落としたのだが、コニーは生き残る。しかし、コニーは病院でパトリシアと間違えられていたのだった。

お腹の子供は無事出産。ヒューの母親は孫との対面を楽しみにしていた。ヒューの実家は大金持ち。コニーは流れに身を任せてヒューの実家へ。そこにいたのは、ヒューと瓜二つの双子の弟ビルだった。

ビルは当初、コニーに不信感を抱き、コニーが何かを隠しているのではないかと疑っていたが、次第にコニーに好意を抱くようになる。

そんなコニーの生活を知ったスティーヴは、コニーたちからお金を巻き上げようと脅しに来る。憤ったコニーは、モーテルに泊まっていたスティーヴを殺しに向かうが、スティーヴは既に殺害されていた。

コニーとビルの結婚式の当日、警察がやって来たが、そこで判明したのは、殺人犯はコニーがスティーヴの家を出ていった後にスティーヴが付き合っていた女だった。。。

 

 

トーリーがあり得ない設定だというのは映画作品としてはよくある話ですが、この作品が今ひとつしっくり来ない理由は、ビルがコニーに好意を寄せるようになった背景がどうも説得力がない点に尽きるように思います。

コニーは大富豪のヒューの実家に入りますが、粗野なふるまいや言動を繰り返し、着飾ってもさほど美しさや上品さが生まれているわけでもなく、しかも、自分がパトリシアだと嘘をついているわけで、どう見ても、ビルがコニーをどうしようもなく好きなる理由がないのです。

だから、ビルとコニーがタンゴを踊っているシーンも、本来は美しいクライマックスのはずなのですが、どうもしっくりこなかったというのが本音です。

 

この作品の一番の見どころは、ヒューの母親を演じるシャーリー・マクレーンが孫を抱きかかえながら♪On the Sunny Side of the Streetを歌うシーンでしょう。


Shirley MacLaine - On the sunny side of the street.wmv

 

「ノートルダムのせむし男」★★★★

 

ノートルダムのせむし男 FRT-033 [DVD]

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ヴィクトル・ユーゴーの小説を映画化したものです。

醜い容姿の鐘楼守カジモドがジプシーの女性に恋をする物語です。

 

カジモドは中世フランスのノートルダム寺院に寝泊まりして日々鐘を鳴らす役目を負っていた。そこに、ジプシーの女のエズメラルドがパリにやって来て、ノートルダム寺院に逃げ込んできた。

カジモドは王に近いフロロ伯爵からの命でエズメラルドをさらおうとしたところ、詩人のグランゴアルがそれを見つけ、将校のフィーバスに助けられた。

その後、カジモドは広場で長時間さらされる刑に処せられるが、そんなカジモドにやさしく水を与えてくれたのがエズメラルドだった。

エズメラルドはフィーバスに惚れ込んだが、それに嫉妬したフロロは、エズメラルドを一緒にいたフィーバスを殺害する。しかし、殺人の嫌疑をかけられたのはエズメラルドだった。

エズメラルドは裁判にかけられたが、有罪で処刑されることに。

エズメラルドが処刑される直前、カジモドはロープをつたってエズメラルドを救出し、聖域であった寺院の中に連れ込むことに成功する。

グランゴアルは、当時開発されたばかりの印刷機の力で、エズメラルドの救出を企てる。乞食たちの集団も寺院に押しかけ、カジモドは塔の上から応戦する。

こうした、エズメラルドの罪は晴らされ、グランゴアルと結ばれる。

カジモドは一人、再びノートルダム寺院に残された。。。

 

 

カジモドのエズメラルドに対する献身的な救援がとても共感できます。特に、カジモドがロープを使ってエズメラルドを救出するシーンは、とても感動的です。

 

フランスといえば、近代的な人権思想が生まれた国のイメージが強いですが、中世にさかのぼれば、ジプシーに対する差別がはびこり、公衆の面前で野蛮な刑が執行されるなど、人権重視の社会からはほど遠い状況であったことが、赤裸々に描かれています。

 

それにしても、撮影の壮大なスケールには圧倒されます。制作されたのが1939年ですから、なおさらです。

 

大変楽しめる作品でした。

「真夜中のカーボーイ」★★★☆

 

シュレシンジャー監督の1969年の作品です。

タイトルからは西部劇であるかのように錯覚してしまいますが、田舎から大都会に出てきた若者の話です。当時のアメリカ社会の自由を謳歌する若者たちの空気を色濃く反映したような作品ですが、今見るとなかなか共感しにくさを感じざるを得ない作品です。

 

ジョージョン・ヴォイト)は、女性を手籠めにしてお金を稼ごうと、テキサスからニューヨークに出ていく。しかし、現実はそう甘くはない。

そんなとき、ジョーは、片足が不自由なラッツォ(ダスティン・ホフマン)と飲み屋で出会う。ラッツォはジョーに金を貢いでくれる女を斡旋することになったものの、紹介されたのは男色ばかりだった。

ジョーはラッツォに激怒するが、やがて2人は共同生活を始め、手を組んでお金を稼ぐようになる。

ラッツォは体調を崩し、フロリダへの移住を強く望む。ジョーはラッツォの夢をかなえるべく、男色の男から巻き上げた金でラッツォとバスでフロリダに向かう。

しかしラッツォはバスの中で力尽き、命を落とす。。。

 

 

この作品はアカデミー賞の作品賞を受賞するなど、高い評価を得ている作品ですが、私は正直、この作品のどこに共感したらよいのか、最後までよく分かりませんでした。

ジョーとラッツォの友情が芽生えていく過程も、正直あまり説得力を感じませんでした。

ただ、そういうことも含めて、この作品ができた時代背景を象徴しているのでしょう。いわゆるヒッピー文化全盛で、ベトナム戦争に疲れた若者たちがやみくもに自由を求めていた時代にあっては、ジョーのような既成の常識にとらわれず行き当たりばったりの生活を送ることに対して、一定の共感が寄せられたのでしょうか。

 

なかなか評価の難しい作品でした。

「ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう」★★★★☆

 

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ウディ・アレン監督の初期の作品です。SEXにまつわる7つのエピソードで構成された作品で、あまりにもくだらないのですが、ウディ・アレン監督のウィットが効いていて、それが分かる人にはとてつもなく面白い作品と言えるでしょう。私は完全にツボにはまって、最初から最後まで笑いが止まりませんでした。

 

「媚薬の効能」は、 宮廷内で道化師が王妃を媚薬でそそのかして寝とろうとするが、貞操帯に阻まれ、貞操帯を壊す音に気づいた王様にバレてしまい、打ち首となる話。

ソドミーって何?」は、雌羊に惚れ込んだ男から相談を受けた医師が、自ら羊の虜になってしまう話。

「エクスタシーは所を選ばず」は、人前でないと興奮しない女の話。カップルは公の場で隠れてSEXを繰り返す。

「女装の歓び」は、女装趣味を隠していた男が、娘婿の両親の家を訪ねた時にその癖が出てしまい、警官が出動する騒ぎとなる話。

「これが変態だ」は、変態たちが出演してその変態度合いを競い合う番組を描いた作品。パネラーたちは出演者の性癖を当てる。

「SFボイン・パニック」は、研究助手を希望する男とジャーナリストの女が、SEXを研究する博士の研究室を訪ねる話。巨大な乳房が研究所を抜け出し、大騒ぎとなる。

「ミクロの精子圏」は、女とベッドインする男の体の中をパロディー化した作品。精子に扮するウディ・アレンが、脳の指令に基づいて体外に放出される。

 

、、、という感じで、そのあまりにもくだらない内容がお分かりになるかと思います。

これは、ある意味、ウディ・アレンの数ある作品の中で、ジョークが最も生き生きと表現された作品かもしれません。

最後の「ミクロの精子圏」は、もちろん有名な映画のパロディーですが、ウディ・アレン自らが演じる自信なさげな精子役は正にハマりどころです。

個人的にはツボにはまった作品でした。

「ソハの地下水道」★★★★

 

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ナチス・ドイツの占領下のポーランドで、下水修理業者の男が下水道の中でユダヤ人たちをかくまう話です。いわばポーランド版の杉原千畝といった感じです。実話に基づくだけあって、心に響く重みが感じられます。

 

下水修理業者のソハは、本業の傍ら、仲間の男と空き巣を繰り返していた。あるとき、ソハは、ナチスの迫害から下水道に逃れているユダヤ人の集団と遭遇する。当局に通報すればお金が稼げるが、ソハはユダヤ人をかくまいつつ、彼らからお金を受け取ることにする。

ユダヤ人たちは衛生状態が劣悪で暗黒の下水道の中で長期間隠れることになる。ソハは、軍の司令官が下水道にユダヤ人が隠れていると疑った際も、うまくユダヤ人たちをかくまう。

地下での生活では様々なトラブルも生じる。ある女性は、妊娠して子供を産むが、間もなく窒息させて殺害してしまう。

ソハは、家族の反対もあり、ユダヤ人をかくまうことから手を引くことにするが、それでもユダヤ人たちのことを見捨てることはできず、面倒を見続けることにする。

やがて、ソ連ポーランドに侵攻し、ナチスポーランド支配は終焉を迎え、ユダヤ人たちは14か月ぶりに地上に出ることができたのだった。。。


映画『ソハの地下水道』予告編

 

英語版のタイトルは“In Darkness”ですが、そのタイトルが示すとおり、薄暗い暗闇の映像が中心です。音楽も最小限で、淡々と暗い場面が続きます。

 

テーマがテーマだけに、エンターテイメントの要素は全くないのですが、当時のナチス・ドイツ占領下のポーランドの雰囲気が重く伝わってくる作品でした。