読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
映画、書評、ジャズなど

「七人の侍」★★★★★

七人の侍 [DVD]

七人の侍 [DVD]

 再び黒澤明監督の作品の鑑賞です。この作品も過去に何度も見ましたが、改めて見るたびに新たな発見があります。

 時は戦国時代。治安が乱れ、野武士の集団が農民たちを襲い作物を収奪することもしばしばだった。農民たちは、武士を雇って村を守ることを決断する。

 こうして勘兵衛を筆頭に7人の侍が集まった。最初は警戒していた農民たちも、次第に侍たちと打ち解け始める。侍たちは村の防御を固め、野武士の襲撃に備える。

 侍たちは敵の陣営を急襲して焼き払う。そして決戦の時を迎える。侍たちは農民たちと共に決死の戦いを繰り広げる。結果、野武士を殲滅させることができたものの、7人のうち4人は命を落とす。

 農民たちに明るさが戻る。死んだ4人の侍は土で盛られた墓に埋葬される。勘兵衛はつぶやく。

「今度もまた負け戦だったな。
 いや・・・勝ったのはあの百姓たちだ。わしたちではない。」


 長編作品ですが、全く途中で飽きさせることはありません。

 この作品の脚本も橋本忍氏が担当されています。橋本氏によれば、『生きる』を制作した後、当初は「侍の一日」を作品化する予定だったものの、侍の生活をいくら調べても分からず挫折。次に「日本剣豪列伝」のシナリオを書きますが、頭からおしまいまでクライマックスの映画なんてあるはずがない、という結論に達してこれもお蔵入り。そんな中、黒澤邸で黒澤、橋本に本木荘二郎を加えた面々で話しあっている中で、本木から、室町の末期から戦国にかけて、百姓が山賊や盗賊から守るために侍を雇っていた、という話が出たとき、次のテーマが決まったというのが、『七人の侍』制作決定の経緯です。

 だから、『七人の侍』に登場する人物は、もともと「日本剣豪列伝」で想定していた登場人物を参考に生み出されたものなのだそうです。

 また面白いのは、この作品がドボルザークの新世界の構成を下地にしているという事実です。言われてみれば、そんな気がします。

 いずれにしても、何度見るにつけ、日本映画史上、最高の作品の一つであることを改めて痛感します。