1982年公開で、アカデミー賞作品賞を受賞した作品です。テーマ曲があまりにも有名で印象的ですが、当時の英国社会の権威主義がよくわかる素晴らしい作品です。
ユダヤ人であるエブラムスはケンブリッジ大学に入学し、オリンピックを目指して陸上に打ち込む。しかし、ユダヤ人であることで、エブラムスは偏見の眼差しを受けることとなる。
リデルもオリンピックを目指す陸上選手で、エイブラハムズのライバルだった。リデルは宣教師として中国にいたが、陸上に打ち込むためにイギリスにもどっていた。
ある競技会でエイブラハムズはリデルに敗れる。そこでエイブラハムズはコーチとして雇うことにしたが、そのコーチが中東系であったこともあり、エイブラハムズは学校側から非難を受けることとなる。
やがてオリンピックを迎えることになるが、リデルは100メートル走の出場日が安息日であることを知ると、100メートル走の出場を辞退し、400メートル走に出場することとなる。
結果は、エイブラハムズは100メートル走で、リデルは400メートル走でそれぞれ優勝する。。。
この作品といえば、やはりこのテーマ曲が印象的です。
炎のランナー テーマ曲 (ヴァンゲリス) Chariots of Fire - Vangelis
単なる陸上競技をモチーフにした作品ではなく、2人がそれぞれの思想や信念を持って競技に臨んでいるところが、当時の社会世相を描き出していて大変興味深い作品となっています。
エイブラハムズは、ユダヤ人に対する偏見と戦い、オリンピックで優勝して、英国の陸上界の重鎮となります。そして、神のために走るリデルは、安息日に走らないという信念を貫き、オリンピックで優勝した後、中国に布教に行き、中国で亡くなります。そんな2人の生き様が単なる陸上選手というだけでなく、2人の人生観そのものが表現されていて、とても素晴らしい作品となっていました。