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「感染列島」★★★★☆

 

感染列島 スタンダード・エディション [DVD]

感染列島 スタンダード・エディション [DVD]

  • 発売日: 2009/07/24
  • メディア: DVD
 

2009年に公開された日本映画です。アマゾンプライムで鑑賞したのですが、おそらく、公開当時に観たとしても、それほど実感がわかず、リアリティに欠けるように感じてしまったかもしれませんが、現下の新型コロナの蔓延を踏まえて見ると、とてもリアリティが感じられる作品で、よくできた作品だと思います。

 

時は2011年。東京都のいずみ野市立病院に勤務する松岡(妻夫木聡)は、原因不明の男性患者を診察するのだが、その患者は急速に容体が悪化して死亡する。その妻も体調を崩していたが、間もなく回復する。

そのうち、病院全体を原因不明の病気が襲い、院内関係者は吐血して倒れていく。やがて病気は全国に拡大し、医療はパンクしてパニック状態となる。

そんないずみ野市立病院における対応の前線にWHOから送り込まれてきた小林栄子(檀れい)は、松岡の元恋人だった。小林と松岡は、正体不明の病気を突き止めようとする。小林は、近づいてきた若手のウイルス研究者にイチかバチかで違法に検体を渡す。

そして、最初に松岡が診察して死亡した男性患者の義父が最近途上国から一時帰国し、体調が悪そうであったことを知る。松岡は知り合いの研究者とともに現地に飛び、蝙蝠が感染源であることを突き止めた。

しかしながら、ウイルスは判明したものの、ワクチンの開発には時間がかかる。そんな中、小林自身がウイルスに感染してしまう。小林は、病床から、回復した元患者の血清の投与が効くかもしれないことを松岡に連絡する。そのやり方で、若い女の子が一命をとりとめた。松岡は急いで血清を持って小林のもとに向かうが、間に合わなかった。

やがて、ワクチンの開発によって、人々は平穏な生活を取り戻す。松岡は田舎の小さな診療所で勤務していた。。。

 

 

この作品は、この新型コロナが蔓延する前のレビューを見ると、それほど評価が高くなかったようですが、最近のレビューは高評価が目立っています。今回の事態が起こる前は、日本人から見て、こうしたパンデミック状態が想像つかなかったのでしょう。しかし、冒頭にも触れたように、現時点で見ると、あたかも予言が当たったかと思われると思ってしまいます。

蝙蝠が起源の未知のウイルスが海外から持ち込まれ蔓延したこと、危機的な医療崩壊と医療現場のパニック状況、人々の疑心暗鬼、政府やWHOの混乱、等々、基本的な部分は、実際に起こっていることと合致します。

 

この作品は、最後、平穏な日常が取り戻されますが、今回の新型コロナの場合、果たしてそうした結末になるのか。現時点では断言できないところが苦しいところです。。。