映画、書評、ジャズなど

「21世紀の資本」★★★☆

21shihonn.com

少し前にベストセラーになったトマ・ピケティの『21世紀の資本』を映画で分かりやすく映像化した作品です。

 

かつて欧州では貴族が土地などの財産を多く所有し、それが相続で引き継がれて、裕福な暮らしをしていた。それが戦争で階層が崩壊し、貧富の格差が崩れた。その後、中流階級が登場してきたが、やがて、様々な規制緩和が進められ、再び富裕層が生まれ、格差が生じるようになる。そして、そうした富裕層の財産を、今その子孫が相続しようとしている。。。

 

そうした歴史を、様々な映画の映像を盛りだくさんい用いることで、その当時の雰囲気の雰囲気を伝えています。

 

ピケティは、こうした今日の状況を、有名な不等式、すなわち、資本収益率>経済成長率によって説明します。

 

そして、映画の中でも強調されているのは、タックス・ヘイブンの問題です。富裕層は巧みに利益を移し替えて、税金を払っていない、だから、その地域の売り上げに応じて利益を割り当てて税を徴収することを、ピケティは提案します。

 

あの分厚い本を短時間の映像でまとめたわけですから、本を読んだのと同じ効果とは言い難いですが、本を読まなくても、大体内容を把握するためには、ふさわしい作品だと思います。