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「悪魔の手毬唄」★★★★☆

 

 

悪魔の手毬唄 上巻 [DVD]

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悪魔の手毬唄 下巻 [DVD]

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横溝正史金田一耕助シリーズの名作「悪魔の手毬唄」のドラマ版です。「悪魔の手毬唄」といえば、市川崑監督の映画も有名ですが、今回は1977年に放送された6話から成るドラマ版ですが、Amazon Primeで正月に一気に観てしまいました。

金田一を演じる古谷一行の好演が光っています。

 

探偵の金田一耕助古谷一行)は、旧知の日和(ひより)警部の紹介で、岡山県鬼首村の鄙びた温泉宿「亀の湯」を紹介してもらい、しばらく滞在することに。風呂場で一緒になったのは、庄屋の末裔の多々羅放菴。金田一は、多々羅から、20年前に村で起きた殺人事件の話を聞く。「亀の湯」の女将青池リカの夫が、詐欺師の恩田幾三に殺されたという。

 

そこに、村出身の歌手大空ゆかりが一時帰郷することに。ゆかりは、恩田幾三が孕ませた子供だった。

そして、放菴の元嫁である老婆が帰ってくることに。すると、村では次々と殺人事件が起こることに。放菴も忽然と姿を消す。

 

村には「仁礼」と「由良」という2つの有力家があった。青池リカは、息子の歌名雄を仁礼家の娘文子と結婚させたがっていたが、歌名雄は由良家の娘泰子と結婚を決意しており、青池リカは強く反対していた。

 

そんな中、由良の泰子が殺害され、次に仁礼の文子が殺害された。殺害には放菴の元嫁の老婆が関わっていると思われたが、実はその元嫁は既に亡くなっていたことが判明する。

金田一は、これは村に伝わる手毬唄に沿って遂行されることに気付く。次は、手毬唄の3番に沿って殺人が行われると思われた。金田一は手毬唄の3番を確認するために神戸に赴き、次は大空ゆかりが殺害される番であることを知る。しかし、次に殺害されたのは、青池リカの娘の里子だった。

 

金田一は、神戸で活動弁士をしていた青池リカの殺された夫の写真を見て、青池リカの夫と恩田幾三が同一人物であることに気付く。殺人犯と被害者が同一人物だったのだ。

 

そして、恩田は、青池リカの夫であるだけでなく、殺された泰子や文子の父親でもあり、大空ゆかりの父親でもあった。

 

その秘密を知っているのは青池リカだった。。。

 

 

つまり、登場する村の同世代の若者たちの多くが、恩田幾三、すなわち青池リカの夫の子供だったというわけです。だから、青池リカは、何としても歌名雄を泰子と結婚させるわけにはいかなかったのです。

 

全体を通して、違和感なくストーリーが展開していきます。女優さんも美しく、中でも、青池リカ役の佐藤友美、そして大空ゆかり役の若き夏目雅子の美しさが、光っています。

 

正月早々、面白い作品に出会うことができました。