ルイ・レテリエ監督による2013年の作品です。4人のマジシャンがマジックを駆使して次々と金を奪い、FBIを出し抜く作品です。
4人はタロットカードに書かれた場所に集められ、“フォーホースメン”というユニットを組んでスーパーマジシャンにのし上がる。ラスベガスのショーでは、観客をパリにワープさせ、パリの銀行から現金を略奪して、観客に配るというマジックを披露した。
次に、ニューオリンズでは、自分たちのスポンサーである富豪の預金口座を、災害の被災者たちの口座に移し替えてしまう。
FBIは彼らを犯罪者として摘発したいが、見破ることは困難だった。そこで、マジシャンたちのトリックを見破ることを生業としていたサディアスの力を借りる。
FBIで捜査を担当していたディランは、インターポールから派遣されたメラニーと共に捜査に当たる。フォーホースメンのアジトを襲撃するも、逃亡される。
さらに、フォーホースメンは、金庫を強奪して、FBIと最後の対決を迎える。盗まれたと思った金庫には夥しい風船が。現金はなぜかサディアスの車に詰められており、サディアスは逮捕される。
ディランは収監されているサディアスに面会に行く。ディランは、実はマジシャンの秘密結社のメンバーであり、フォーホースメンを陰でサポートしていたことを打ち明ける。マジシャンだったディランの父は、昔サディアスに追い詰められ、命を落としていたのだった。。。
4人のマジシャンたちが、強い者から巻き上げたお金を弱者に分けていくというストーリーは何とも痛快です。彼らと対峙しているFBIで中心的に捜査に当たっていたディランこそが彼らのサポーターだったという結論も、意表をついて面白い展開でした。
ただ、全体を通じて、どこか説得力に欠ける部分もあったことも事実です。4人の力だけであれだけのマジックを次から次へと披露することは、いくらフィクションといえども違和感を感じてしまいます。古代からマジックを守って来た「アイ」という結社のくだりも、フォーホースマンとの関連性が今一つしっくりきません。一時期ぎくしゃくしていたディランとメラニーが最後恋愛感情を抱くようになるのも、唐突感がありました。カーアクションのシーンも、あまり本筋と関係なかったように思いますし、その結果命を落としたはずのメンバーの1人が、実は死体安置所から奪われてきた死体だったというのも、う~んと思ってしまいます。
まぁ、指摘すればいろいろあるのですが、ただ、全体的にゴージャスな映像は楽しめますし、エンターテイメントとしてはしっかり楽しめる作品でした。