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「シェイプ・オブ・ウォーター」★★★☆


『シェイプ・オブ・ウォーター』日本版予告編

先日アカデミー作品賞を受賞した作品を鑑賞してきました。声が出ない主人公の女性が半魚人と恋する大人のラブファンタジーで、これまでにないジャンルの作品といえるかもしれません。

 

しゃべることができないイライザは、極秘の研究を行う施設の清掃員として働いていた。その施設にアマゾンの奥地で神として崇められていた半魚人が運び込まれる。粗暴な性格の半魚人であったが、イライザは不思議と心が通じ合った。

ところが、半魚人は解剖されることになったため、イライザらは半魚人を施設の外部に連れ出すことに。イライザの自宅の浴室でかくまうとともに、イライザと半魚人は恋を育む。

しかし、半魚人が弱ってきたため、イライザは大雨の日を見計らって、半魚人を海に返すことにする。施設の警備責任者がそれを追って、海に戻る直前に、半魚人とイライザを撃つ。半魚人は瀕死のイライザを抱えて海に飛び込んでいった。。。

 

ギレルモ・デル・トロ監督は、この作品の中で、阻害されてきた人たちを前面に描いています。声のでないヒロインであるイライザや半魚人を始め、清掃員の同僚の黒人女性、ゲイの老人などなど。

監督自身もメキシコ出身ということで、そうした生い立ちがこの作品のコンセプトに反映されているように思います。

こうした監督の思いは大変共感できるものの、もう少しキャラクター設定に深みがあれば良かったかなという気もします。

 

ファンタジーでありながら、ヒロインのヌードや自慰行為のシーンなど、大人のテイスト満載なところは、斬新です。