ヴィクトル・ユーゴーの小説を映画化したものです。
醜い容姿の鐘楼守カジモドがジプシーの女性に恋をする物語です。
カジモドは中世フランスのノートルダム寺院に寝泊まりして日々鐘を鳴らす役目を負っていた。そこに、ジプシーの女のエズメラルドがパリにやって来て、ノートルダム寺院に逃げ込んできた。
カジモドは王に近いフロロ伯爵からの命でエズメラルドをさらおうとしたところ、詩人のグランゴアルがそれを見つけ、将校のフィーバスに助けられた。
その後、カジモドは広場で長時間さらされる刑に処せられるが、そんなカジモドにやさしく水を与えてくれたのがエズメラルドだった。
エズメラルドはフィーバスに惚れ込んだが、それに嫉妬したフロロは、エズメラルドを一緒にいたフィーバスを殺害する。しかし、殺人の嫌疑をかけられたのはエズメラルドだった。
エズメラルドは裁判にかけられたが、有罪で処刑されることに。
エズメラルドが処刑される直前、カジモドはロープをつたってエズメラルドを救出し、聖域であった寺院の中に連れ込むことに成功する。
グランゴアルは、当時開発されたばかりの印刷機の力で、エズメラルドの救出を企てる。乞食たちの集団も寺院に押しかけ、カジモドは塔の上から応戦する。
こうした、エズメラルドの罪は晴らされ、グランゴアルと結ばれる。
カジモドは一人、再びノートルダム寺院に残された。。。
カジモドのエズメラルドに対する献身的な救援がとても共感できます。特に、カジモドがロープを使ってエズメラルドを救出するシーンは、とても感動的です。
フランスといえば、近代的な人権思想が生まれた国のイメージが強いですが、中世にさかのぼれば、ジプシーに対する差別がはびこり、公衆の面前で野蛮な刑が執行されるなど、人権重視の社会からはほど遠い状況であったことが、赤裸々に描かれています。
それにしても、撮影の壮大なスケールには圧倒されます。制作されたのが1939年ですから、なおさらです。
大変楽しめる作品でした。