ナチス・ドイツの占領下のポーランドで、下水修理業者の男が下水道の中でユダヤ人たちをかくまう話です。いわばポーランド版の杉原千畝といった感じです。実話に基づくだけあって、心に響く重みが感じられます。
下水修理業者のソハは、本業の傍ら、仲間の男と空き巣を繰り返していた。あるとき、ソハは、ナチスの迫害から下水道に逃れているユダヤ人の集団と遭遇する。当局に通報すればお金が稼げるが、ソハはユダヤ人をかくまいつつ、彼らからお金を受け取ることにする。
ユダヤ人たちは衛生状態が劣悪で暗黒の下水道の中で長期間隠れることになる。ソハは、軍の司令官が下水道にユダヤ人が隠れていると疑った際も、うまくユダヤ人たちをかくまう。
地下での生活では様々なトラブルも生じる。ある女性は、妊娠して子供を産むが、間もなく窒息させて殺害してしまう。
ソハは、家族の反対もあり、ユダヤ人をかくまうことから手を引くことにするが、それでもユダヤ人たちのことを見捨てることはできず、面倒を見続けることにする。
やがて、ソ連がポーランドに侵攻し、ナチスのポーランド支配は終焉を迎え、ユダヤ人たちは14か月ぶりに地上に出ることができたのだった。。。
英語版のタイトルは“In Darkness”ですが、そのタイトルが示すとおり、薄暗い暗闇の映像が中心です。音楽も最小限で、淡々と暗い場面が続きます。
テーマがテーマだけに、エンターテイメントの要素は全くないのですが、当時のナチス・ドイツ占領下のポーランドの雰囲気が重く伝わってくる作品でした。