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「ヒーロー・ネバー・ダイ」★★★★☆

 

ジョニー・トー監督の作品で、香港の2つのマフィアを舞台とする復讐劇です。それぞれの組織で用心棒を務めたジャック(レオン・ライ)とチャウ(ラウ・チンワン)の固い友情が見ごたえ十分です。

 

ジャックとチャウは、それぞれボスの右腕として、組織間の抗争で活躍。時には弱気なボスを鼓舞しながら、組織を支えていた。2人はとあるバーで遭遇し、互いのワイン・グラスをコインで破壊するゲームを繰り広げる。そこに、2人の彼女も合流。2人のネームプレートを付けたワインのボトルがキープされる。そのときにバンドが演奏していた曲が♪Sukiyaki(♪上を向いて歩こう)だった。

ところが、壮絶な抗争の中、2人はそれぞれ大怪我を負う。チャウは両足を切断することになり、車いすの生活を送ることに。ジャックもしばらく意識が戻らない状況が続いた。

そんな中、2つの組織は手打ちを行い、手を組むことに。2人は組織にとって邪魔な存在となってしまう。

生きる気力を失ったチャウを見た彼女は、チャウをボスのところに執拗に連れていき、抗議するのだが、鬱陶しく感じたボスは彼女を射殺する。チャウは物乞いの生活をしながら、彼女の敵を取るために、復讐を誓う。

一方、ジャックも組織から狙われ、ジャックを守ろうとした彼女は、ボスの一味に火をつけられ全身やけどを負う。

最後、ジャックとチャウは手を組んで、壮絶な復讐劇の末、ボスたちを射殺する。。。

 

 

全体的によくできたプロットであるとともに、ボスへの復讐心に燃える2人の男たちの心理が実によく描けています。散々ボスへ忠誠を尽くした挙句に、組織にとって要らない存在になると途端に手のひらを返して命まで狙われる、そんなドライで冷たいマフィアの論理に対抗して、壮絶な復讐を遂げる男たちの友情がとにかくかっこ良過ぎます。

 

こうした作品というのは、アジア映画ならではの醍醐味であり、ハリウッド映画では絶対に表現できない面のような気がします。

 

音楽も効果的に使われており、ゆったりとしたリズムで演奏される♪Sukiyakiが作品全体のムードを醸成しています。

 

ジョニー・トー監督の作品はこれまでもいくつか鑑賞しましたが、こうした人間性の本質をえぐるような作品を作るのが本当にうまいと思います。