昨日は山下洋輔氏のソロコンサートを鑑賞してきました。毎年この時期にこのホールで開催されてきているようですが、客席はほぼ満席で、往年のファンが集まっているような印象です。
冒頭は、4月らしい曲ということで♪I Remember Aprilから始まり、♪やわらぎ、童謡をアレンジした♪さくら、♪早春賦と続きます。
後半では♪砂山、♪Brick Block、その後、赤塚不二夫氏が大好きだったというチャップリンの映画から、♪Eternally、♪Titinaが演奏されます。
Charlie Chaplin - Eternally (From ''Limelight'') (1952)
Charlie Chaplin - Titina (Modern Times,1936)
そして、最後の曲はやはり♪Boleroです。山下氏のボレロの演奏を最初に聞いたとき、その想像力溢れる斬新な解釈に衝撃を受けたことを覚えています。
今回のコンサートでは、童謡が比較的多く取り上げられてきましたが、いずれ童謡のアルバムを出す予定があるのだそうです。ジャズミュージシャンたちは多様なジャンルの楽曲を取り上げてスタンダードにしてきたわけですが、日本の童謡の中にも、ジャズ・スタンダードとして定着する可能性がある曲もあるような気がします。
これまで山下氏の生演奏は何度かで聴いたことがありましたが、今回改めてその演奏の素晴らしさを実感しました。山下氏といえば、どちらかといえば、フリージャズ的な印象が強烈ですが、演奏の繊細さに改めて気づきました。これだけの豪胆さと繊細さを併せ持つピアニストは、山下氏以外には見当たりません。
正に日本のトップピアニストとしての風格が漂う、大満足のコンサートでした。