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映画、書評、ジャズなど

「シティ・オブ・ゴッド」★★★★☆

映画

 

 2002年のブラジル映画です。フェルナンド・メイレレス監督の作品ですが、この監督は、リオ五輪の開会式の総合演出を務めた方です。

 

リオデジャネイロの郊外にあるシティ・オブ・ゴッドは、貧しい人々が集まる治安の悪い街。少年たちが強盗を働いていた。

この街で悪さを働く少年ギャング3人組は、子分のリトル・ダイスの発案した計画に基づき、モーテルを襲撃する。当初は殺人はしない約束だったが、子分のリトル・ダイスが欲望にかられて多くの人々を殺害してしまう。

リトル・ダイスはその後リトル・ゼと名前を変え、シティ・オブ・ゴッドを支配するまでになり上がり、麻薬の世界を牛耳るようになる。

他方、小さい頃に兄をリトル・ダイスに殺されたブスカペは、ギャングの道には進まず、報道写真家を目指している。

リトル・ゼは、敵対する勢力と戦いながら、麻薬のテリトリーを守っていたが、リトル・ゼはやがて警察に捕まり、その後、少年ギャングたちに殺害される。その現場の写真をスクープしたのが、ブスカペだった。。。

 


シティ・オブ・ゴッド 予告編 -Cidade De Deus-

リオの治安の乱れぶりと、警察の無力さを、巧みに描いた名作中の名作といえる作品です。重いテーマであるにもかかわらず、テンポよく話が進んでいき、巧みなカメラワークの力もあって、観る側を全く飽きさせません。

過激な描写も多々見られますが、リオの実態を描く上では不可欠な演出だったように思います。

ギャングの乱れっぷりについて住民もを割らず、警察も真剣に取り締まりを行わない実情がよく伝わってきます。そしてギャングの少年たちが、生まれながらにしてそうした境遇で育ち、そのままギャングの道に足を踏み入れてしまっていることが、非常にうまく表現されているように思います。

 

監督のメイレレスは、昨日のリオオリンピック開会式の総監督を務められたとのことですが、ブラジルの歴史を非常に分かりやすく表現しており、素晴らしい作品だったと思います。

 

ブラジルは実に多くの地域から移民してきた人々によって成り立っていることがよくわかる演出であり、日系移民にも配慮した演出は感銘を受けました。

報道によれば、リオの開会式と広島の原爆式典が同じ時刻に開催されていたことから、メイレレス監督は開会式での黙とうを提案したそうですが、却下されてしまったとのこと。まぁ、国際政治のバランスを考えれば、黙とうは難しいと思いますが、そうした提案をしてくれただけでも、日本人にとっては有り難いことです。