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「A.I.」★★★☆

 

A.I. [Blu-ray]

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 キューブリック監督が温めていた企画をスピルバーグ監督が映画化したものです。温暖化が進み、人間そっくりなロボットとリアルな人間とが対立を始めている世界を描いた、ある種のディストピア作品です。

 

従来のロボットにはなかった愛情を埋め込まれた子供のロボットのデイヴィッドが製作され、子供を亡くして悲嘆に暮れている夫婦が実験的に引き受ける。しかし、亡くなって冷凍保存されていた子供が再び生き返ると、デイヴィッドは居場所をなくし、森の中に捨てられてしまう。

 

デイヴィッドは真の人間になって、母親のモニカの愛を一身に受けることを夢見ていた。しかし、ロボットたちは人間たちによって、見世物として公開処刑されていく。デイヴィッドも危うく処刑されそうになったが、間一髪で生き延びる。

 

やがて、デイヴィッドは2000年の眠りにつくが、再びロボットたちに起こされる。ロボットたちは、デイヴィッドが愛して止まない母親のモニカをクローン技術を使って生き返らせる。デイヴィッドの念願はついに叶い、モニカの寵愛を一身にうけることができた。しかい、クローン技術で生き返った人間はわずかの期間しか生きられなかった。モニカは再び眠りにつくと、二度と目を覚ますことはなかった。。。

 

随所にキューブリックらしさが垣間見れるものの、後半のダラダラした展開は、やや無意味のような気がしてしまいます。2000年の時を経た世界というのが、この作品にとってどういう意味を持つのか?イマイチ良く分かりませんでした。

 

デイヴィッドがあまりに人間っぽすぎたので、 もう少しロボット的な要素が見られても良かったのではないかと思います。

 

大作であることは間違いなく、テーマも今日的なものであることには違いないのですが、見終わった後の不完全燃焼の感覚が残ってしまいました。