- 出版社/メーカー: 東宝ビデオ
- 発売日: 2001/12/21
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ロバート・ウェークフィールド判事はアメリカの麻薬問題の責任者への就任の打診をホワイトハウスから受ける。しかし、娘のキャロラインは、学校の友人たちと麻薬にはまってしまっていた。
そして、アメリカのカリフォルニアで平和な生活を営む一家。ある日、捜査官が自宅に乗り込んできて、主人が逮捕される。妊娠中の妻のヘレーナは、夫が麻薬ビジネスに関わっていたことを知らず、夫の逮捕に途方に暮れる。
メキシコでは、2つのマフィアが抗争を繰り広げる中、麻薬取締の責任者サラサール将軍が、一方のマフィアの拠点を一斉に取り締まる。サラサールは、もう一方のマフィアのドンの仲間だった。
ウェークフィールドは結局、娘の更正を優先して、ホワイトハウスでのポストを投げ捨てる。ヘレーナはメキシコの麻薬組織に乗り込んでいき、重要証人を殺害させ、夫の無実を勝ち取る。。。
3つのストーリーが絶妙な距離感で結びついているところが、とてもよくできています。
メキシコのサラサール将軍には、実在のモデルがいるそうですが、政府とマフィアの結託が麻薬取締を根底から妨げていることがよく分かります。自分の手下の捜査官でも、都合が悪くなると容赦なく殺害してしまう冷酷さが表現されています。
先日も麻薬マフィアのボスが刑務所からトンネルと使って脱走したニュースが大きく報じられていましたが、こういうあり得ないことが起こる背景にも、こうした政府の腐敗があるのかもしれません。
そして、本作では、アメリカのエリート家庭にも麻薬汚染が入り込んでいる様子が描かれており、アメリカ社会における麻薬問題の根深さを改めて認識させられます。
この作品は2000年度のアカデミー賞監督賞などを受賞していますが、それも頷けます。壮大で深刻なテーマを取り上げ、その本質が浮き彫りになるように仕上げているところは、さすがスティーブン・ソダーバーグ監督です。