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映画、書評、ジャズなど

「恋する惑星」★★★★

恋する惑星 [DVD]

恋する惑星 [DVD]

 ウォン・カーウァイ監督による1995年の作品です。香港を舞台とする2部構成で、それぞれが独立したストーリーになっています。

 前半は、金城武とブリジット・リンが登場する。刑事の男(金城武)は彼女と別れたばかり。そんなとき、バーで金髪サングラスをかけている女と出会う。女はインド人を使って麻薬の密売をやっていた。男は女をホテルに連れて行ったが、女は寝込んでしまい、結局男は女に手を触れずにホテルを後にした。女は男に誕生日の伝言を残す。。。

 後半は、刑事633号(トニー・レオン)と飲食店でバイトする女
フェイ(フェイ・ウォン)の話。刑事はCAの女性と別れたばかり。勤務担当地域にあった店でフェイと知り合う。フェイは男の家の鍵を入手し、こっそりと部屋に入り込んで、自分の趣味に合わせていろいろ小細工をする。しかしあるとき、フェイは男の部屋で鉢合わせてしまう。男はフェイを飲みに誘うが、結局、フェイが来ることはなく、手書きの搭乗券を人づてに残していった。1年後、フェイはCAになって戻ってきた。男は刑事を辞めてフェイが以前働いていた店を買い取っていた。フェイは新しい手書きの搭乗券を渡す。。。


 いずれのストーリーも決して分かりやすいものではありませんが、ただ、とても余韻を引きずるエンディングとなっています。

 後半のストーリーでは、ママス&パパスの♪夢のカリフォルニアが効果的に使われています。 いつも仕事中にこの曲を好きで聴いていたフェイが、刑事の男の部屋に忍び込んでこのCDを置いてきます。そして男と待ち合わせた店「カリフォルニア」には行かず、本当のカリフォルニアに行ってしまいます。さらに、彼女は男の元彼女と同じ職業のCAになって帰ってきます。このフェイの突拍子もない行動が、フェイのキャラクターを魅力的なものにしています。

 全体的に登場人物の心情心理が巧妙に映像化されているところは、さすがウォン・カーウァイ監督の作品です。ハリウッド作品とは全く異なる赴きの作品ですが、正に映像美という言葉が相応しい作品だと思います。