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映画、書評、ジャズなど

「リプリー」★★★★☆

映画

リプリー [DVD]

リプリー [DVD]

 イタリアで遊びほうけているディッキーをイタリアから呼び戻すことをディッキーの父親から依頼されてイタリアに向かったトム・リプリーマット・デイモン)が、現地でリプリーとディッキーの立場を使い分け、次々と人を殺めていくという作品です。

 ピアノ演奏で細々と働いていたトムは、あるパーティーで演奏しているときに、造船会社社長と知り合いになり、息子をイタリアから連れ戻すことを依頼される。

 イタリアに着くと、トムはディッキーのところに向かい、プリンストンの同窓生といってリプリーに近づく。トムとディッキーはすぐに意気投合し、ディッキーの恋人マージとも仲良くなる。

 やがてディッキーはトムを疎んじるようになる。トムはディッキーと一緒にボートに乗っている際に言い争いとなり、ディッキーを撲殺してしまう。トムはマージに対し、ディッキーはもはやローマから戻るつもりがないと嘘を伝える。

 トムはローマに向かい、ディッキーになりすまして暮らし始める。トムは声をまねるのが特技であり、髪型を変えることでディッキーに似た風貌になることに気付いた。ローマでマージに再会するが、自分がディッキーになりすましていることは、何とかばれないでいたが、ディッキーの友人のフレディに感づかれ始めた。トムはフレディを殺害する。

 マージはトムがディッキーのリングを持っていたことから、ディッキーを殺害したと怪しみ始めた。その後、トムは、ローマで、イタリア行きの船で出会った令嬢メレディスと再会し、メレディスと一緒にいた男ピーターと仲良くなる。ディッキーの財産をまんまと手にしたトムは、ピーターと船旅に出かけることに。その船にはメレディスも乗っていた。メレディスはトムをディッキーだと思いこんでいたが、そこに、警官が乗り込んでくる。警官は、トムがディッキーを殺害したことを疑っていた。自分がトムとディッキーを使い分けていることが明らかになることを恐れたトムはピーターが邪魔になり、殺害する。。。 最後、トムがピーターを殺害したことを暗示させる終わり方は秀逸です。

 良くできたシナリオだと思います。トムが本人とディッキーという2つの立場を使い分けながら、気付かれないようにきわどい生活を送るという設定が、巧みに生かされています。

 そして、ディッキーがjazzが好きという設定であることから、作品中で多くのjazz音楽が流れます。

 さらに、本作品では、同性愛的な要素が絡んできます。トムがディッキーの入浴中に朗読をしてあげるとき、2人はうっすらと愛し合っていることを感じとりますが、そのことがディッキーとの関係に微妙な影響を及ぼすことになります。そして、最後の船旅でも、トムとピーターは愛し合っています。

 それにしても、マット・デイモンの演技が光ります。素朴な青年に見えながら、自分の身を守るために冷徹に人を次々と殺めていくという困難な役どころをしっかりと演じています。