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映画、書評、ジャズなど

「隣の女」★★★★☆

隣の女 [DVD]

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 幸せな家族が、隣に夫のかつての恋人が引っ越してきたことによって破滅の道を歩むことになる話です。背筋が寒くなる結末は圧巻です。

 ベルナールとアルレットの夫婦は息子のトマと3人で幸せな生活を送っていた。そんな中、隣の空き家にフィリップとマチルドの夫婦が引っ越してきた。マチルドはベルナールがかつて惚れた恋人だった。

 ベルナールはマチルドと接触しないように気をつけた。アルレットが許可なくフィリップとマチルドを自宅に招待した際は、急用を口実に帰宅を遅らせた。

 しかし、ベルナールのマチルドに対する愛情が甦ってきてしまい、2人はホテルで密会を重ねるようになる。

 ある日、フィリップの家でパーティーが開催された際、ベルナールは感情を抑えられなくなり、家族たちの前でマチルドに対する感情を爆発させてしまい、家族関係はぎくしゃくするようになる。

 マチルドは神経症を患い、入院する。結局、フィリップとマチルドは他所へ引っ越していくことに。

 ところが、マチルドは朝方に元の家に戻ってきた。物音に気付いたベルナールはこっそりと隣家に行くと、待っていたマチルドと再び燃え上がり、2人はそのままベットに。

 すると、マチルドは性行為をしたまま、鞄からピストルを取り出し、ベルナールの頭を打ち抜き、その後自らの頭を打って絶命する。。。

 何とも意外で衝撃的な結末です。

 作品の冒頭と最後に、テニスコートの管理人の女性ジェーヴによるナレーションが入ります。ジェーヴは、かつて愛した男性が戦場に赴き、その帰りを待っていたものの、裏切られたと知ったときに、ビルから飛び降り、片足を失った熟年女性という設定です。
 そのジェーヴが、作品の最後に以下のように述べているシーンが大変印象的です。

「もし2人の遺体が同じ墓に葬られるとしたら
 墓碑銘にこう刻んであげたい
 あなたと一緒では苦しすぎる
 でもあなたなしに生きてはいけない」

 この言葉が正に心にズキンと突き刺さる、そんな素晴らしい作品でした。