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映画、書評、ジャズなど

「奪命金」★★★★☆

映画

 ジョニー・トー監督による2011年の作品です。ギリシア債務危機による不況で翻弄される作品です。あおりを食った人たちに紛れて、こっそりと利益を手にした関わりのない3人の存在が痛快です。

 映画では、妻からマンションの購入を急かされているがなかなか決断ができない警察官のチョン、営業成績が伸び悩みクビになりかけている銀行員のテレサ、忠誠心に溢れるマフィアのパンサーの3人が登場します。

 テレサの顧客の貸金業のチャンは、ギリシア債務危機で借りに来る人が増えてうはうはの状況だった。そんなとき、パンサーの友人ドラゴンがマフィアから預かった資金の投資に失敗し、資金繰りが窮地に追い込まれた。パンサーが貸金業のチャンに金策を依頼し、チャンはテレサの銀行から貸金のための現金1000万香港ドルをおろそうとしたものの、土壇場になって必要な額が半分となり、残りの半分の500万香港ドル現金をテレサのもとに置いていった。
 ドラゴンはマフィアから胸を刺されて瀕死の状態であった。パンサーはドラゴンのためにチャンを襲撃して現金を奪うつもりであったが、チャンは別人に殺害され、パンサーは現金500万香港ドルを奪って逃げた。パンサーは盗んだ金を増やすために一か八かの投資を試みるが、ドラゴンは息絶えた。
 チャンが殺されたことを知ったテレサは、チャンが置いていった500万香港ドルを手にして、銀行を辞める。
 パンサーも一か八かの賭けがうまくいき、大金を手にする。
 警察官のチョンも、一時エレベーターの中に閉じこめられ命の危険にさらされるが、無事マンション購入のための資金繰りがつくことになった。。。 3人のうち誰が主人公というわけではなく、3人とも最後まで直接的なつながりはないままなのですが、どこかできちんとつながっていて、それぞれがそれぞれなりに経済危機の中でうまい果実を手にしているところがシュールな仕上がりになっています。

 こういう作品の仕立て方は得てしてあっちこっちに話が飛ぶので、観ている方からするとごちゃごちゃになるのですが、この作品は相互の関係性が徐々に明らかになっていき、大変分かりやすく話が進んでいきます。この辺りはさすがアジア映画だなぁと感じました。