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「きっと、うまくいく」★★★★★

 

きっと、うまくいく [DVD]

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 2009年のインド映画です。インド映画は普段あまり見ないのですが、独特の構成とテンポの良さがあって、3時間近い長編にもかかわらず、全く中だるみすることなく見切れます。久々に心の底からスカッとする素晴らしい作品でした。

 

インドの工科大学に入学したファルハーン、ラージュ、ランチョーの3人の友情を描いた話。

後年、離陸中の飛行機に乗っていたファルハーンの携帯電話に連絡が。ファルハーンは急病を装って飛行機を引き換えさせ、直ちにラージュのもとへ向かう。そこで待っていたのは、学生時代に3人を敵視していたチャトゥル。3人はランチョーのもとへ向かう。。。

若かりしファルハーンは野生動物を撮る写真家を夢見ていたが、親の強い希望で工科大学へ入学。ラージュは父親が病身の貧しい家庭の期待を背負ってエンジニアを目指していた。

3人は工科大学の学長を困らせる問題児だったが、成績の悪いファルハーンとラージュに対し、ランチョーは成績優秀だった。勉強もろくにしないのに成績は1位。ランチョーを目の敵にする学長や2位に甘んじたチャトゥルは歯ぎしりしていた。

3人は学長の娘の結婚式に食事目当てにもぐりこんだところ、学長に見つかり大目玉を食らう。そこで、結婚する娘の妹のピアと知り合うことに。ピアとランチョーは恋に落ちることに。

しかし、卒業後、ランチョーは音信不通に。そんなとき、チャトゥルからランチョーの居場所が分かったという連絡が入ったのだった。

ランチョーの父親の葬儀に駆けつけたところ、実はランチョーという名の人物は、別人だったことが判明。ランチョーは身代わりとして工科大学に入学していたのだった。

次に3人はピアのもとへ。ピアはちょうど結婚式を挙げるところだった。3人は強引に結婚式からピアを連れ出し、ランチョーのもとへ向かう。

では身代わりを演じていたランチョーはどうしているのか。ランチョーは学校の先生として、子供たちに科学の楽しさを教えていた。そして、ランチョーは数々の世界的特許を持つ科学者でもあった。美しい湖のほとりで再会を果たした3人。ランチョーとピアは再び恋に落ちる。。。


3 Idiots - Official Trailer - YouTube

途中、ミュージカル仕立てのようなシーンがあったり、センスの良いユーモアと悲哀が交互に次々と展開したり、最後まで全く飽きることがありません。カメラワークも素晴らしく、ラストの湖畔での再会のシーンの映像の美しさは感動的です。

それでいて、成績至上主義で若者の自殺率の高いインド社会の歪みにも、きちんと切り込んでいます。

 

映画のエンターテイメント性を最大限極めた作品といっても過言ではないでしょう。インド映画の実力を思い知らされました。