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「コレラの時代の愛」★★★★

 

コレラの時代の愛 [DVD]

コレラの時代の愛 [DVD]

 

ガルシア=マルケス原作の小説を映画化したものです。初恋の相手を51年9か月と4日もの間も待ち続けて、恋を成就させるという気の長い話です。

 

作品は、冒頭、フェルミーナの夫が不慮の事故で亡くなり、そこに老いたフロレンティーノがやってきて、このときを待っていた、とフェルミーナに伝え、フェルミーナがフロレンティーノに対し、出て行け、死んじまえ、と叫ぶ場面から始まります。

 

そじて、話は50年前に。。。電信配達員のフロレンティーノは、配達先の令嬢フェルミーナに一目惚れし、恋文を送り続ける。フェルミーナはその勢いに圧倒され、一時はプロポーズをうけいれたが、裕福な男との結婚を望んでいたフェルミーナの父親は猛反対。フェルミーナを遠い場所に連れ出す。フェルミーナも、フロレンティーノに結婚を受け入れたことは間違いだったと伝え、その後、コレラ治療の権威のエリート医師と結婚することに。

 

失意のフロレンティーノは、フェルミーナを忘れるために、多くの女性たちと肉体関係を持つが、忘れることはできない。やがてフロレンティーノは叔父の後を継いで、運輸会社の社長に就任する。

 

こうして長い年月が過ぎ去り、冒頭の、フェルミーナの夫が亡くなる場面へ。当初、フェルミーナは、フロレンティーノの非常識な態度に憤るが、やがて二人は再び惹かれあい、一緒にジャングルの中を巡る川を走る船に乗って旅に出る。せ

船室の中で二人はついに一夜を共にすることになる。。。

 

南米を舞台にした小説ですが、その映像がとても綺麗です。

 


映画『コレラの時代の愛』予告編 - YouTube

若い時の失恋経験を老年まで引きずり、忘れるために多くの女性たちと関係を持ち(しかもそれを逐一メモしている。。)、相手の夫が亡くなると直ちに駆けつけて、このときを待っていた、と告げるフロレンティーノの行動には、正直共感することは難しいでしょう。

 

他方、50年経ってようやく恋が成就するというのは、現実的には考えにくいにしても、それはそれで多くの人々にとって興味深い境地かもしれません。それは一体どのような高揚感をもたらしてくれる経験なのか、想像もつきませんが。。。

 

ちなみに、ガルシア=マルケスといえば、この映画の原作は読んだことはありませんが、『百年の孤独』と『予告された殺人の記録』は読みました。いずれも大変面白く、考えさせられる物語でした。

loisir-space.hatenablog.com

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