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「五線譜のラブレター」★★★★

 コール・ポーターの生涯を描いた作品です。当然のことながら、コール・ポーターが作った曲が随所で効果的に用いられ、それだけでも十分楽しめる作品です。 作品は、晩年のコール・ポーターが演出家とともに、自らの生涯を映像で振り返るという設定で構成されています。

 コール・ポーターは、パリの離婚女性で最も美しいと噂されたリンダ・リーと出会い結婚します。その後、リンダのつてでブロードウェイの仕事を得ることになり、アメリカで成功を収めます。しかし、コール・ポーターは同性愛者でもあり、作品の中でも、男性と女性の恋人の間で揺れ動くコール・ポーターの様子が描かれています。

 まずは♪So In Love

 続いて♪Love For Sale

 一番印象的だったのは、シェリル・クロウの唄うもの悲しい雰囲気が漂う♪Begin The Beguineです。
 

 作品中何度か披露される♪Anything Goes

 この作品を見ると、コール・ポーターがいかに数多くのジャズのスタンダード作品を遺しているかが改めて理解できます。

 晩年のコール・ポーターが自らの生涯を振り返るという作品設定である必要があったかどうかはやや疑問ですが、いずれにしても、ジャズ好きにはたまらない作品です。