- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2014/12/24
- メディア: DVD
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主人公の老医師イーサクは、長年連れ添っている家政婦と2人暮らし。名誉博士号を授与するために、息子の嫁マリアンと一緒に車で出かけることに。道中、様々な出来事が起こる。昔親戚たちが定期的に集まった家に立ち寄ると、そこで昔の回想が。。。そこにはイーサクの婚約者だった従姉妹のサーラが野いちごを摘んでいた。が、そこにイーサクの弟がサーラに強引に言い寄り、結局サーラは弟と結婚してしまったのだった。
立ち寄った家でイーサクは、3人の快活な男女の若者グループと出会い、以後連れだって車の旅を続けることになった。途中、対向車がぶつかってきた。夫婦が乗った車だったが、口げんかとなり運転を誤ったとのこと。この夫妻も車の旅に同行することとなったが、車中で口論を始めたため、途中で降ろされることに。
イーサクとマリアンは、イーサクの母親の家を訪ねた。年老いたイーサクの母親は小言が多く、親族が誰も寄りつかず、孤独な生活を送っていた。
イーサクの回想は別れた妻の不倫現場を垣間見てしまった記憶へ飛ぶ。森の中でイーサクの妻は別の男と逢瀬を楽しんでいた。イーサクも妻との間で口論が絶えない仲であった。
イーサクはマリアンから息子のことで相談を受ける。マリアンが妊娠したことを息子に告げたところ、息子から、自分を取るか子供を取るかの選択を迫られたという。息子は死を強く意識しており、余計なものを背負い込みたくなかったのだ。そんな態度がイーサクと似ていることをマリアンに指摘され、イーサクはハッとする。
名誉博士号の授与式には、息子夫妻のほか、道中一緒になった3人の若者たちも出席してイーサクを歓迎する。式が終わると3人の若者たちは明るく去っていった。
息子の家でイーサクは夫妻の仲を気にかけながら、再び夢の中へ。サーラに連れられて池のほとりへ向かうと、そこでは父親と母親が静かに釣りをしていた。。。
晩年の老人が自分の半生を夢うつつで振り返るというシチュエーションが、とても心地よく、やすらかで、気持ちいい作品です。自分も晩年において人生をこういう風に振り替えれたら幸せだろうな、と思わせる作品です。おそらく、監督自身の憧れや体験も作品に影響しているのでしょう。
イングマール・ベルイマン監督の作品はいずれも人の心を深くえぐる作品が多いですが、この作品も、静かに心をえぐられるとても素晴らしい作品です。