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映画、書評、ジャズなど

「マーラー」★★★★

映画

マーラー [DVD]

マーラー [DVD]

 ニューヨークからウィーンに帰る列車の中で、マーラーが過去を回想しながら、マーラーの半生を内面を独創的に描いた作品です。 マーラーは妻のアルマと一緒に列車に乗っていたが、マーラーはアルマが他の男を選ぶのではないかとの疑念を抱いている。回想は、マーラーの幼い頃の出来事、湖畔の小屋の中で作曲に打ち込んだ日々、指揮者としての栄誉を掴むためにカトリックへ改宗したこと、弟が自殺したこと、娘を失ったこと、等々、あちこちに飛び回る。

 特に印象的なのは、カトリックに改宗する場面です。音楽会を仕切っているユダヤ嫌いのコジマ・ワーグナーにしごかれながら改宗するシーンは、エロチックでパラノイア的な独特の世界観を醸し出しています。 マーラーは列車の中で体調を崩し、目的地に着く頃には回復したと思われたが、実は本人は知らないものの、余命幾ばくかの状態であった。。。


 作品の冒頭から、怪しげな生命体が海辺でもがきながら脱皮するおぞましいシーンです。あちこちに支離滅裂な表現とも言えるシーンが続き、時代設定も不可思議な場面の連続で、あまり他の作品には見られない雰囲気が作品全体を覆っています。

 ナンセンスといえばナンセンスな感じもするのですが、こういう映像表現ができるのも映画ならではでしょう。ある意味、現代アートの作品に近い感じの映画作品とも言えそうです。