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映画、書評、ジャズなど

「ブロークバック・マウンテン」★★★★☆

映画

ブロークバック・マウンテン [DVD]

ブロークバック・マウンテン [DVD]

 2006年アカデミー賞の監督賞などを受賞した作品です。同性愛をど真ん中のテーマに据えた重い作品ですが、2人の男の揺れる心境をうまく表現した良作です。

 イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)の2人はブロークバック・マウンテンという名の渓谷で羊の管理を一緒に担うことになった。ある晩テントの中で2人で寝ているとき、2人は同性愛に目覚めてしまう。

 ブロークバック・マウンテンでの仕事が終わった後、イニスはある女性と結婚し、子供も設ける。ジャックも裕福な商人の家庭の娘と結婚する。そして4年後、ジャックはイニスのもとを訪ねて久々に再会すると、2人は再び熱い愛情が目覚め、ブロークバック・マウンテンに出かけては2人だけの時間を過ごすようになる。

 イニスの妻はそんな2人の関係を感づいており、やがてイニスは離婚。2人の関係は続くが、共に生活することができない苛立ちから喧嘩別れしてしまう。

 その後、イニスはジャックの訃報を受け取る。ジャックはブロークバック・マウンテンに散骨するよう遺言を残していたが、それは実現しなかった。やがてイニスの娘は嫁いでいくことに。イニスはジャックの遺品とともに永遠の愛に浸っていたのだった。。。


 とても重いテーマで、普通ならある種の嫌悪感すら感じてしまいかねないテーマかもしれませんが、この作品はなぜか清々しい余韻を残してくれます。

 アン・リー監督の作品としては、このほかに『ラスト、コーション』を鑑賞しました。

「ラスト、コーション」★★★★★ - loisir-spaceの日記

 これも人間の愛情の神秘を表現した作品でしたが、この『ブロークバック・マウンテン』も人間の愛情の神秘がテーマと言ってもよいかもしれません。『ラスト、コーション』での激しいベッド・シーンと『ブロークバック・マウンテン』での男性同士の禁断の愛のシーンは、どちらも一見すると過剰な演出のように見えますが、やはりどちらも作品の中で欠かせないパートを占めているように思います。

 それにしても、ブロークバック・マウンテンの雄大な光景は、それだけでも十分楽しめました。 そして触れなければならないのは、ヒース・レジャーの早すぎる死でしょう。この作品のヒット後まもなく28歳の若さでこの世を去ります。そんなヒースの生涯を思うと、この作品がますます悲しく見えてきます。